サマソニLIVEレポ「中国発のヒップホップ新世代、ハイヤー・ブラザーズを目撃」

ハイヤー・ブラザーズ(©SUMMER SONIC All Rights Reserved.)



比較的小さめの屋外ステージだが、その中には大勢の観衆が集まり、開演前から期待感が充満。伏し目がちなインディ・キッズから、パーティ慣れしていそうなカップルまで、会場には様々なファッションの若者が集まっている。日本人とアジア系が多いものの、中には欧米系の人もちらほら。多様な観客が固唾を飲んで見つめる中、ステージに現れた4人は想像していたよりもずっと若く見える。

グループのまとめ役となっている短いドレッドヘアのMasiWei。巨体から凄まじいヴァイヴスを放ち続けるDZ。トラヴィス・スコットを髣髴とさせる長髪ドレッドで、癖のあるフロウを響かせるPsy.P。金の短髪に刈り込んだヘアスタイルで、高速スピットするMelo。四者四様、キャラ立ち抜群のラッパーがステージ狭しと歩き回り、トラップの低音で震えるステージをマイクリレーでさらに揺らしていく。

それぞれが自由勝手にパフォーマンスしているようで、要所ではピッタリと息の合ったユニゾンを聴かせ、あるときには競い合い、あるときには助け合うようにマイクをつなげていく。そんな姿を見ると、彼らが「中国のミーゴス」と称される理由もよく分かる。世界的にソロ・ラッパーが主流で、常態のヒップホップ・グループは希少な時代だが、ハイヤー・ブラザーズは間違いなくこの4人でしか放つことのできないヴァイヴスとオーラを身にまとった、世界有数のラップ・グループだった。

若きハイヤー・ブラザーズは、ヒップホップに耽溺することで自由を謳歌し、ヒップホップを通じてグローバルなネットワークと繋がろうとしている。彼らが中心となったアジア発の新しいユース・カルチャーが、世界を席巻する日だって決して遠くはないだろう。彼らが次に来日するとき、そのステージがどれほど大きくなっているのか、興趣は尽きない。その時が来たならば、今度こそは話が聞けることを願って、再び取材を申し込みたいと思う。



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