プリンスの家族、鎮痛剤を処方した医師を告訴

(Photo by Waring Abbott/Michael Ochs Archives/Getty Images)

プリンスの家族は彼が亡くなる直前に処方薬を処方した罪でミネソタ州在住の医師を告訴した。医師には「プリンスのオピオイド中毒を診断し、治療する機会があり、彼の死を回避できたが、それをしなかった」と告訴状で主張。

プリンスの家族は、彼が亡くなる直前に処方薬を処方した罪で、ミネソタ州在住の医師を告訴した。

8月第4週にヘネピン郡地方裁判所に提出されたこの訴訟で、マイケル・シュレンバーグ医師といくつかの医療機関には「プリンスが死に至るまでの数週間にプリンスのオピオイド中毒を診断し、治療し、死を回避する機会と義務があった。しかし彼らはそうしなかった」とプリンスの家族が主張していると、ジ・アソシエイテッド・プレスが報じた。

2016年4月21日にプリンスが誤って薬物を過剰摂取した直後に、プリンスの身元がばれないようにするために彼のボディガードの名前で強力鎮痛剤オキシコドンを処方したことを、シュレンバーグは当局に認めていた。この違法行為で彼には3万ドルの(約340万円)の罰金を科せられた。

しかし、プリンスの薬物過剰摂取は、彼の体内のフェンタニル量が「甚だしく高レベル」になったことによって引き起こされた。プリンスの死の真相を解明する捜査が被疑者なしとして終了したため、プリンスにフェンタニルを処方した人物の特定には至っていない。それでもなお、プリンスの家族はプリンスに詳細不明の被害を与えたとしてシュレンバーグに5万ドル(約560万円)を請求すると、弁護士ジョン・ゲッツが告訴状に明記している。

4月、プリンスの家族はイリノイ州モーリンにあるトリニティ・メディカル・センターに対して不法死亡訴訟を起こしている。そして、ミネソタ州にあるウォルグリーン(ドラッグストア・チェーン)2店舗を、2016年4月に過剰摂取をおこしたプリンスを一時的に治療したトリニティ・メディカル・センターが根拠のない医療目的で処方した「麻酔性の処方薬を販売した」として訴えている。

「ミネソタでの訴訟はプリンスの死に対して法的責任を負っているすべての機関を相手取って起こされている。今後この訴訟が進行する最中に、これらの機関以外で責任を負うべき人物や団体を特定して、この訴訟に加える可能性がある」と、提訴後にゲッツがコメントを出した。

一方、シュレンバーグの弁護士ポール・ピーターソンがAP通信に対して次のようなコメントを出している。「ネルソン氏(=プリンス)の親近者と世界中にいる彼のファンにとって、この状況が受け入れがたいことは理解している。仮にそうだとしても、シュレンバーグ医師はネルソン氏が受けた治療を支持しており、私たちはこの裁判で争うつもりだ」。

Translated by Miki Nakayama

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