サマソニLIVEレポ「9年ぶりの登場、理想的な成長を遂げたパラモア」

パラモア(©SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

サマソニ東京2日目(8月19日)、各ステージが次々とエンディングに向かって疾走していく中、SONIC STAGEで正真正銘の大トリを努めたのが米ナッシュビル出身のパラモアだ。2009年にMARINE STAGEに出演した際は日本のセーラー服着用でファンの度肝を抜いたヘイリー・ウィリアムス(当時20歳)だが、80年代風のニューウェーヴ/シンセ・ポップに挑んだ最新作『アフター・ラフター』を引っさげてのカムバックとなったこの夜のステージは、彼女たちがいわゆる「エモ」の範疇には留まらない実力とポップ・ポテンシャルを持つバンドであることを裏付けるものだった。

巨大なスクリーンを背にステージへ立つのは、ヴォーカルのヘイリーと、2007年以来の古株であるテイラー・ヨーク(Gt)、オリジナル・ドラマーにして昨年復帰を果たしたザック・ファロの固定メンバーに加え、ローガン・マッケンジー(Gt, Synthesizer)、ジョーイ・ハワード(Ba)、ジョセフ・ミューレン(Per)、そしてテイラーの兄ジャスティン・ヨーク(Gt)の7人。『アフター・ラフター』からのエレクトロ・チューン「Grudges」で幕を開けると、ピンク色のビッグジャケットに網タイツ(脚にはいくつかのタトゥーが確認できる)、グリーンをアクセントにした金髪と涙をイメージさせるグリッターラメというエキセントリックな出で立ちのヘイリーが、ステージを所狭しと駆け回りながら鮮やかなハイキックを一閃する。そのキュートな笑顔と一挙手一投足に、前列のファンは絶叫に次ぐ絶叫だ。

続いてセルフ・タイトルの『パラモア』より恋する乙女のまっすぐな心情を歌った「Still Into You」、再び新作から「Low-key, no pressure!」の合唱が響き渡ったシンディ・ローパー風の「Rose-Colored Boy」、さらにヘイリーが「ジャンプ! ジャンプ!」と煽った「That’s What You Get」など、新旧の代表曲をバランス良く盛り込んだ前半戦からオーディエンスのテンションは最高潮で、あらためてその卓越したメロディー・センスにも舌を巻く。2007年作『ライオット!』収録の「Crushcrushcrush」でひとしきりフロアを揺らし、「グッド・イブニング・トーキョー! 気分はどう?」と、ヘイリーからこの日最初のMC。「来てくれてありがとう。ダンスの準備はできてる? 歌う準備はできてる? じゃあ、泣く(Cry)準備は?」という呼びかけにファンが割れんばかりの大歓声で応えると、新作でもひときわセンチメンタルな「Fake Happy」を披露する。苦悩に満ちたダークな歌詞(度重なるメンバー・チェンジや、脱退したジェレミー・デイヴィスとの訴訟トラブルも大きな要因だろう)とは裏腹に、サウンドはまばゆいポップネスに溢れているのが『アフター・ラフター』の魅力でもあるわけだが、『i-D』のインタビューによると「泣くのは激しく、踊るのはもっと激しく」が彼女のモットー。ライブの現場で発露されるそのエモーション/エネルギーとの相乗効果は尋常じゃない。

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