アレサ・フランクリンとマライア・キャリーや他ディーバたちによる一夜限りの「ナチュラル・ウーマン」を振り返る

1981年、テレビ番組の企画でアレサとディーバたちによる夢の共演が実現した (Photo by KMazur/WireImage)

マライア・キャリー、セリーヌ・ディオン、キャロル・キング、グロリア・エステファン、シャナイア・トゥエインがソウル・クイーンのアレサとテレビ番組『Divas』の初回放送でステージに立った奇跡の一夜を振り返る。

1988年、ケーブルテレビ局HV1は同局で最も記憶に残るシリーズ番組の放送を開始した。これは年1回行われる『Divas』という特別番組で、さまざまな世代を代表するシンガーが一同に会して、自身のヒット曲や他のシンガーのヒット曲を一緒に歌うというものだった。もちろん、この『Divas』シリーズに欠かせないがアレサ・フランクリン。そして、初回放送のフランクリンのステージに華を添えたのがマライア・キャリー、グロリア・エステファン、セリーヌ・ディオン、シャナイア・トゥエイン、キャロル・キングだった。

この年のDivasコンサートでは感動を呼び起こす素晴らしい歌声と楽曲が次々と披露された。登場したシンガーは全員、ソロで歌うだけでなくデュエットも披露したのである。しかし、グランドフィナーレはポップスとソウルの歴史の最高潮と呼べる瞬間だった。この日ステージを披露した女性シンガーたちが横一列に並び、フランクリンの楽曲の中でも最も印象的なヒット曲「ナチュラル・ウーマン/(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」を一緒に歌ったのである。フランクリンがこの曲を歌い始めたとき、ジェリー・ゴフィンとこの曲を共作したキャロル・キングが満面の笑みをたたえてフランクリンの横に立っていた。そして、この二人を真中に据えて一列に並んだ歌姫たちが、この曲の数小節を分け合いながら歌ったのである。ディオン、エステファン、キャリーと、フランクリンの横のキングがリフ部分を先導して曲をつなぎながら、歌姫たちは互いにインスパイアしながらこの曲を紡いで行ったのだった。

この曲の最後の盛り上がり部分では、最初から圧倒的な存在感を示していたフランクリンが、それぞれの歌姫が披露した素晴らしい歌声を一つにまとめ、さらなる高みに昇華させた。フランクリンは、彼女たちが歌う一節一節に呼応するボーカルを加えながら、この曲に力強い影を彩ったのである。彼女から最初に引き継いだディオンは優雅さをたたえたリフオフを即興で歌ったのだが、キングは数年後に米A&Eネットワークスの特番でのインタビューでこのときのことを次のように語っていた。

「ディーヴァが一列になってステージに立っていたけど、アレサがみんなのお株を奪ったって感じね。まるで神のご加護でそうしているかのようだったわ。セリーヌが歌うはずの歌詞をアレサが先に歌ってしまったから、セリーヌは即座にアレサの歌に応えるようなフレーズを即興で歌ったのよ」とキングが説明した。つまり、クイーンと一緒にステージに立つときには、常に最高の自分を披露する心の準備が必要ということのようだ。



Translated by Miki Nakayama

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