チャンス・ザ・ラッパー、インディペンデントにこだわる理由「金が欲しい時はツアーで稼ぐ」

8月18日(土)大阪、19日(日)東京のサマーソニックに出演するチャンス・ザ・ラッパー(Photo by Kathy Hutchins / Shutterstock)



ーリル・ウェインのミックステープ『Dedication 5』の1曲「Your Song」では、あなたのフレーズがフィーチャーされてますよね。あのフレーズを使おうと思ったのはいつ?

ヨーロッパツアーから一時シカゴに戻ったときかな。ヨーロッパツアーを終えて、全米ツアーに出る前に、オフが1日あったんだ。朝目が覚めたら、(マネージャーの)パットから携帯にメッセージが来てて。「ウェインが『Dedication 5』のために曲を作ってくれと言っている。2日で欲しいそうだ」。そのとき俺がどんだけパニクったか、想像できるだろ? ウェインのために完璧な曲を作るだけじゃなく、1日で仕上げなきゃならないんだぜ。何しろ翌日はすぐ出発だったからね。

ーそれでどうしたんですか?

一瞬、頭ん中が真っ白になった。とにかく混乱したね。何をどうしたらいいかわかんねぇよ、って。それでパットに「彼はどんなビートが欲しいんだい?」って返信した。そしたらパットの返事は「いま聞いてみる」って。その後すぐ、「お前好みのビートでいいそうだ」って返ってきてさ。余計ナーバスになったよ。リル・ウェインのミックステープのために、俺はどんなビートを選べばいいのさ? そのとき、シカゴのストリート系はどうだろうかとひらめいた。そう、Z Moneyの「Bitches Want My Money」とか、Chief Keefの音源とか、シカゴっぽいやつ。それならうまくいく気がした。あとは『Dedication 5』っぽいラップを入れることにした。今何が起きてるかとか、最近経験したこととか。自分の経験をぶちまけたってわけ。

ーこれまでにもキャッシュ・マネー・レコーズとのコラボはありましたよね。Monnie Freshとは2012年のサウス・バイ・サウス・ウェストで出会ったとか。

Mannie Freshには散々酔わされたね。ヤツはベルヴェデールのボトルを持っててさ、それがマジ、1メートルを優に超えるぐらいのデカさだったんだ! 本当だって! ヤツはカウチに座ってたんだけど、ボトルの先端はこのぐらいまであったから(と言って、頭の上のあたりを指さす)。ヤツはそのボトルをこんなふうに持ち上げて、話をしながらショットを注いでいった。クレイジーだろ。

ー8月のロラパルーザでの凱旋パフォーマンスについて聞かせてください。

シカゴ出身のアーティストにとっては、ロラパルーザに出るのは一大事件。つまり、いっぱしのアーティストになったってことなんだ。Chief Keefもそうだし、Kids These Daysもそう。Cool Kidsもそうだ。だから俺は、メディアがよく言う“未来のCool-Kids-Chief”ってとこかな(笑) 俺はずっと、ロラパルーザを1年の目標にしてたんだ。1年間、この日のために毎朝起きて、ツアーをする。“毎日せっせと働くのは、すべて無事に生きてロラパルーザを見るため”って感じだった。

ーレコードレーベルとの契約が頭をよぎったことは?

意味がないね。音楽業界は死んでるから。

ー自分のキャリアを自分で直接コントロールしたい、というのもありますよね?

人々に俺がどんな印象を与えるか、ってことに関してはもう気にしなくなった。昔は、道行く人々に自分のCDを配ってたんだぜ。でも今や、俺はメインストリートのアーティスト。自分が望んだわけじゃないけどね。俺は作曲してるわけじゃないし。口コミ効果のおかげさ。

ー『Acid Rap』の次回作はいつごろ完成の予定ですか?

『Acid Rap』を作ったそもそもの理由は、ひとつの問いを投げかけることにあった。「全曲オリジナルのアルバムがあったとして、それがある一定の感情を呼び起こし、ある一定の人々に、ある一定の度合いで広まっていく。でも、それってミックステープも同じじゃないか? そもそも今の時代、アルバムって何だよ?」って。俺はミックステープを売り物にはしてないけど、だからってそれが“オフィシャル・リリース”じゃないとは言えないだろ。ただ俺は、売り物のプロジェクトはやらない。金が欲しいときはツアーで稼ぐさ。



SUMMER SONIC 2018
期間 : 2018年8月18日(土)、19日(日)
会場 :TOKYO=ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
OSAKA=舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※チャンス・ザ・ラッパーはOSAKA=18日(土)、TOKYO=19日(日)に出演
http://www.summersonic.com/2018/

Translated by Akiko Kato

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