結成30周年を迎えたマッドハニー、10枚目のアルバム『デジタル・ガービッジ』を9月に世界同時発売

1988年に本格始動したマッドハニーは、「サブ・ポップ」と共に今年で結成30周年を迎える

ニルヴァーナと並ぶ「サブ・ポップ」の顔として愛され、今なお第一線で活躍するマッドハニー。今年で結成30周年を迎える彼らが、約5年ぶりとなる通算10枚目のアルバム『デジタル・ガービッジ』を完成させた。

資料によると「僕のユーモアの感覚はダークなんだ。そして今はダークな時だよね」と、フロントマンのマーク・アームは語っている。さらに、「人々は実際に似たような妥当性の確認をしているように思うんだ。例えばFacebook Liveがある。ここで人々は拷問や殺人をストリーミングしているよね。Philando Castile(警官に撃たれた黒人男性の様子を恋人がで中継した事件)の場合は警察による殺人だ。この曲を書いている時、『オンラインに何かを一度でもアップロードしたら、どうやってそれを取り去る事ができるか』ということを考えていたんだ。誰もそれを掘り起こさなくても、またどこからか浮かび上がってくるんだよね。それは永遠にネット上に存在するんだ」と続けた。

『デジタル・ガービッジ』は「Nerve Attack」で幕を開けるが、この曲は現代の生活に対しての不安と増大する戦争への脅威に対しての合図のように聴こえるかもしれない。また、アルバムのタイトルは「Kill Yourself Live」のアウトロから採られているようだ。YouTubeでは同楽曲の音源も公開されている。



同じように、アルバムには最近の事件にインスパイアされた曲がいくつかある。「Please Mr. Gunman」でマークは「そうだよ、俺たちは教会で死ぬんだ!」と叫んでいるが、この曲は2017年の教会での発砲事件に関するTVニュースでの愚か者の反応に触発されている。また「Next Mass Extinction」のオープニングの不吉なリフレインは、昨年の夏のシャーロッツビルでのデモを思い起こさせる。

マッドハニーのコアなサウンドは『デジタル・ガービッジ』でも健在。レコーディングはバンドの長年のコラボレーターで、本作ではピアノも演奏するジョニー・サングスターと共にシアトルのスタジオ「Litho」で行われた。「21st Century Pharisees」ではガイ・マディソン(Lubricated Goat)の狂ったシンセを聴くこともできる。

記念すべき30周年、そして10作目のアルバムとなる『デジタル・ガービッジ』について、マークは次のようにコメントしている。
「僕は物事を多少なりとも普遍的なものにしようとしてるんだ。だから、このアルバムのサウンドは今風には聴こえない。一方、(普遍的と言っても)ここに収録された曲は将来、消え去ってしまうことを望むよ。『おい、このアルバムの歌詞は今でも健在だよな』、なんて将来言いたい人はいないからね(笑)」。

なお、マッドハニーのマーク・アームとスティーブ・ターナーは、8月10日にシアトルで開催されたパール・ジャムのコンサートに飛び入り。サウンドガーデンのギタリストであるキム・セイルと共に、ストゥージズやデッド・ボーイズのカヴァーを披露して大観衆を沸かせたことも記憶に新しい。



<リリース情報>

マッドハニー 『デジタル・ガービッジ』

マッドハニー
『デジタル・ガービッジ』
品番:OTCD-6501
定価:¥2,400+税
その他:世界同時発売、日本盤ボーナス・トラック収録(予定)、解説/歌詞/対訳付(予定)
発売元:ビッグ・ナッシング / ウルトラ・ヴァイヴ

Rolling Stone Japan 編集部

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