「日本3大音楽フェス」関係者だけが知っている歴代ベストシーン:SUMMER SONIC編

INTERVIEW:Ryuhei  Ando
大阪会場の楽屋エリアで目撃した数々の名シーン

安藤さんが株式会社クリエイティブマンに入社し、スタッフとしてサマソニに関わるようになったのは2006年から。メタリカが発売20周年を記念して『Master of Puppets』を完全再現し、2時間半に及ぶ伝説的なライブを繰り広げた年であり、デフトーンズ、ゼブラヘッド、マイ・ケミカル・ロマンスなど、アメリカのラウド勢がMARINE STAGEを占拠していたが、安藤さんにとって印象的だったのはイギリスを代表する3ピースであった。

「MCのサッシャさんのお付きみたいな感じで、ずっとMARINE STAGEにいたので、近い距離でライブも観れたんですけど、特にミューズのライブがすごくて。メタリカとかリンキン・パークのファンで、ミューズはそんなに入れ込んで聴いてなかったんですけど衝撃を受けました。このときのライブが話題になって、ミューズ自体が日本でも大きくなっていったので、その場を目の当たりにして、肌で感じられたっていう意味でも、すごく印象に残ってます」


富士急で行われた第一回に出演し、2006年はUSのラウド勢に囲まれながらも圧巻のステージでライブバンドとしての実力を証明。2013年には遂にヘッドライナーとして帰還と、ミューズの成功物語はサマソニとともにあると言っても過言ではない(©SUMMER SONIC All Rights Reserved. )

幕張メッセ内ではダフト・パンクやマッシヴ・アタックの出演も大きな話題を呼んだ一方、メタリカと並んでヘッドライナーを務めたのは、当時人気絶頂だったリンキン・パーク。彼らは2009年にもヘッドライナーを務め、2013年には再びメタリカとのダブル・ヘッドライナーで出演するなど、サマソニの顔というべきバンドの一つだったが、昨年チェスター・ベニントンが自殺。なお、今年はマイク・シノダがソロとして出演する。


2006年にメタリカと並んでヘッドライナーとして登場し、素晴らしいステージを披露したリンキン・パーク。2009年、2013年にも出演し、名実ともにサマソニの顔だったが……チェスター・ベニントン、R.I.P.(©SUMMER SONIC All Rights Reserved. )

「最後終わってから花火が上がりますけど、大体どのアーティストもライブが終わったらすぐにステージを降りて、車で楽屋に戻っちゃうんですよ。でも、このときはチェスターがステージ脇からずっと花火を見上げていて、それから出て行ったんですよね。当時から印象的でしたけど、今となってはより印象的なシーンとして覚えています」

グリーン・デイとリアーナがヘッドライナーを務めた2012年からは大阪会場の担当となり、主に楽屋エリアにいることが多いという安藤さん。東京よりもサイズ感がコンパクトで、楽屋の距離も近い大阪会場ではアーティスト同士の交流が生まれやすく、貴重なシーンを何度となく目撃しているという。

「2013年にはメタリカのラーズ・ウルリッヒが『BABYMETALのライブを観に行きたい』って言ってて、その後に向こうのツアーに呼ばれたりしてましたよね。去年はヘッドライナーのフー・ファイターズの前でしたし、BABYMETALはホントすごいなって。あと2016年はファーギーとウィーザーのメンバーが楽屋の入口で談笑しながら写真を撮ってたり、去年は東京でのフー・ファイターズとリック・アストリーのコラボが世界的なニュースになりましたけど、前日に大阪の楽屋で何やら話してたんですよ。今思えば、『東京で何かやろう』って話してたのかも。大阪はそういうきっかけが生まれやすいんです」


アーティスト同士の交流が生まれやすい大阪会場の楽屋エリア。こちらは2016年のファーギーと、ウィーザーからリヴァース・クオモ&ブライアン・ベル。ブライアンの後には安藤さんの姿も。※写真はファーギーのインスタグラムより

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