「日本3大音楽フェス」関係者だけが知っている歴代ベストシーン:SUMMER SONIC編

5周年を迎えた2004年に文字通り砂浜に誕生したBEACH STAGEは、サマソニの避暑地としても人気が高い(©SUMMER SONIC All Rights Reserved. )



また、もう一日のヘッドライナーを務めたのがブラック・アイド・ピーズだったことも、サマソニの歴史を塗り替えたと言える。それまで「ロック」のイメージが強かったなか、R&Bやヒップホップを基調とするポップアクトがMARINE STAGEを大いに沸かせたことが、のちのビヨンセやリアーナ、ファレルらの出演へと繋がり、サマソニの開かれたイメージを作り上げることとなった。

「ブラック・アイド・ピーズをヘッドライナーにしたことによって、ポップス系の出演者のゲートが広がって、サマソニのキャラクターがより強固になったと思います。最初は『ロック・アクトじゃないと締まらないんじゃない?』っていう風潮があったんですけど、ふたを開けてみればめちゃめちゃ盛り上がって、みんなの認識が変わったなと。しかも、時間が押しちゃって、最後の曲をやってる途中に花火を上げなくちゃいけなくなったんですよ。でも、それが演出みたいになって、曲が終わると同時に花火も終わったのはすげえと思いました(笑)」

レジェンドたちの出演というのもサマソニの色の一つだが、クイーン+アダム・ランバートがヘッドライナーとして伝説級のステージを繰り広げた2014年には、レッド・ツェッペリンのあのヴォーカリストもまた伝説を作り上げていた。

「ロバート・プラントがMARINE STAGEでやってたときに、虹が出たんですよ。ファンがステージとは反対の方を向き出して、新曲の“RAINBOW”をやってるときで、流石だなって(笑)」


18年ぶりの来日を果たし、MARINE STAGEに虹のアーチをかけた御大ロバート・プラント。「Black Dog」や「Whole Lotta Love」など、レッド・ツェッペリンのナンバーも織り交ぜつつ、健在ぶりをアピールした(©SUMMER SONIC All Rights Reserved. )

2015年の開催も忘れ難い。ケミカル・ブラザーズとファレルという英米の顔役がヘッドライナーを務めたこの年、実は最大級の盛り上がりを作り出し、その後のラインナップにまで影響を与えていたのが、ドイツ出身の若きDJ・ゼッドであった。

「それまでMARINE STAGEでDJって考えにくかったんですけど、2015年はEDMが盛り上がってたこともあって、集客もすごくて、ヘッドライナーのファレルより盛り上がってたんじゃないかってくらいで。それもあって、2017年はカルヴィン・ハリスをヘッドライナーにしたっていう流れもあったんですよね」


ここ日本でも確かにEDM旋風が巻き起こっていることを感じさせた2015年のゼッド。翌年にはスウェーデンのアレッソが、2017年にはカルヴィン・ハリスがヘッドライナーとしてMARINE STAGEに登場したのは、彼の功績とも言える(©SUMMER SONIC All Rights Reserved. )

ロック系に始まり、ポップス系やダンス系、さらにはアイドル系と、規模の拡大に伴い、様々なジャンルに拡大して行ったサマソニのラインナップ。そんな流れも引き継ぎつつ、ノエル・ギャラガーとベックという、初期にヘッドライナー経験のある2組が再びヘッドライナーとして顔を揃える2018年は、「原点回帰」を掲げた年になるという。

「来年の20周年を見据えて、今年は原点回帰を掲げていて、どのステージを見てもすごくバランスがいいと思います。近年はエリアもジャンルも広げ続けてきましたけど、今年はもうちょっとコアな音楽ファン、サマソニのファンにきちんと届けた上で、ポップスやアイドルの要素も入れていくみたいな、そういうラインナップになってるかなと。ロック系もいるし、海外でブレイクしてるポップス系の女性アクトもいるし、チャンス・ザ・ラッパーを筆頭にヒップホップ系もいて、うまくハマったと思いますね。


平山善成
株式会社クリエイティブマンプロダクション・宣伝部部長。2001年入社。SUMMER SONICのPR、レディオヘッド、グリーン・デイ、ワン・ダイレクションなど洋楽全般の公演を担当。新人の発掘・ブッキングも行う。

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