『アメリカン・サイコ』の生みの親が、リベラル系メディアを嫌う理由

『アメリカン・サイコ』や『レス・ザン・ゼロ』で知られるアメリカの小説家、ブレット・イーストン・エリス(Photo by Franco Origlia/Getty Images)

『アメリカン・サイコ』や『レス・ザン・ゼロ』で知られる小説家で、1990年代の「ジェネレーションX」を代表する作家の一人、ブレット・イーストン・エリスの最新インタビュー。

小説家のブレット・イーストン・エリスは、過去30年以上に渡り、超バイオレンス、カジュアルなニヒリズム、アメリカの浅はかさへの批判について論じてきた。著書『帝国のベッドルーム』の出版から10年近くが経ち、エリスは空回りを始めたように思われた。近年手がけた映画脚本には厳しい評価が下されているが、確かにリンジー・ローハンとジェームズ・ディーンの出演したエロティック・スリラー『ザ・ハリウッド』(2013年)は、大ヒット作品とはならなかった。“ブレット・イーストン・エリス”ブランドは、かつてのような商業的影響力をもはや持っていないようにも思われた。しかし54歳となったエリスは今、幸せである。『アメリカン・サイコ』がミレニアルの試金石となり、今は『レス・ザン・ゼロ』のパイロット番組向けの脚本が書き上がったところだ。エリスの処女作を元にした同作品は、Huluで10回のミニシリーズが企画されている。年齢とともに落ち着いてきたとはいえ、パトリック・ベイトマンの生みの親は今なお、立派に人々を怒らせる力を持っている。

長い間メディアやネット上で同性愛者を装いながら、半自叙伝的小説『Lunar Park』では主役に妻と子どもたちを持たせるなど、人々を煙に巻いた彼は、自分のアイデンティティ、政治的見解、世界観を公開討論会の場にする境地にまで達した。第1回目はカニエ・ウェストをゲストに迎えて2013年に始まった『ブレット・イーストン・エリス・ポッドキャスト』は、映画、音楽からポップカルチャーや政治に至るまで、文学界のブラット・パックの思うままをぶちまける場となっている。2018年エリスは同ポッドキャスト番組を、パトレオン(クリエイター向けのクラウドファンディングサービス)を通じたサブスクリプション・サービスとして、1番組あたり1.5ドルまたは月あたり10ドルで提供開始した。登録ユーザーは、エリスやゲストとのQ&Aに参加できる。ポッドキャストの有料番組にお金を払うのは愚か者のすることとみなされている時期にエリスは、たとえ思い通りに行かなかったとしても、ひとつの実験として実施した。

私たちは彼のビバリーヒルズの自宅で話を聞いた。

Translated by Smokva Tokyo

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