D.A.N.の今を知るための7つのキーワード「脳内麻薬が出るような音楽を作り続けたい」

写真左から、市川仁也(Ba)、櫻木大悟(Gt, Vo, Syn)、川上輝(Dr)



キーワード3:サイケデリア

─D.A.N.の音楽には以前からサイケデリックな要素が含まれているなと感じていたのですが、3人はそのあたりはどんな風に感じているのでしょうか?

市川:僕の中で「サイケデリック」というのは、いろんな要素が混じり合っているイメージ。完全に溶け合うのではなく、様々な色が混在している感じというか。

─マーブル模様なんかも、サイケデリックの象徴とされていますよね。

市川:そうですね。混じり合うというのは、音楽だけでなくアートでもなんでもそうで、ある種、組み合わせの妙でもあるし、時には「得体の知れなさ」も感じる。D.A.N.も活動初期から「サイケデリック・ミュージック」と評されることがちょくちょくあったんです。「なんでだろう?」と考えた時、確かに僕らも別のところから引っ張ってきた要素を、ひとつの曲に混ぜ合わせているからだろうなって。ある意味ではカオスというか、ひとつのジャンルで括りきれないような、しっちゃかめっちゃかなサウンドを鳴らしているんですよね。そこが「サイケデリック」と言われる所以なのかなと。

─時間も空間も異なる音楽が、ひとつに混じり合ったときに生まれる「時空の歪み」のようなものを、D.A.N.の音楽には感じるのかも知れないですね。

川上:サイケって、「P」から始まるじゃないですか。「サイコ」とか「サイキック」とかも発音しない「P」から始まるの、かっこいいですよね。

櫻木:そういうのいいよね(笑)。80年代や90年代のサイケデリックは「快楽主義」で成り立っていると思うんですよ。でも僕らの音楽は、そういうのとは違う気がしていて。もっとインナートリップというか、日本的な感じ。禅のような、日本人特有の「境地」に近いのかなって思うんですよ。修行僧じゃないですけど、彼らが悟りを開くときって「脳内麻薬」が出ている状態なんじゃないかって思っていて。なのでヨーロッパ的なサイケというよりは、もともと僕ら日本人が持っている、「和風サイケ」みたいなものを体現できたらいいなと思っています。

キーワード4:エロティシズム

─櫻木さんの声には常々エロさを感じていて、これまではどこか中性的なエロさだったのが、今作ではかなり「オス」っぽい骨太さを感じるのですが、本人的にはどうですか?

櫻木:うーん、確かにそんな気が自分でもするんですけど、なんでそうなったんだろう(笑)。

川上:ファースト・アルバム『D.A.N.』は僕ら3人でほぼ作りましたけど、ライブでは(小林)うてながいたし、この前のミニアルバムは彼女のスティールパンががっつり入っていたから、なんだかんだ4人で一緒に作った感じがあるので、そういう部分では彼女の「女性らしさ」みたいなものが、音の中に入っていたのかもしれないですね。で、今回からはずっと男3人でいたし、その感じが出ているのかも。

市川:あと、今回は楽曲の構造としても「歌」が全面に出てくるようになったと思います。メロディも強いしリズム隊が強化されたぶん、歌もビルドアップされていて。ファーストの頃は、歌に無機質な儚さみたいなものを感じたんですけど、今回は儚さだけじゃなくて、哀愁だとか、そういう大悟のパーソナルな感情も入り込んできている気がして。それもエロさ、男っぽさに繋がっているのかもしれないですね。

櫻木:なるほどね。そういうことって、歌っている本人よりもメンバーの方がわかっているのかも知れない。

川上:うん。たぶん俺らが一番たくさん大悟の歌を聴いてるし。

市川:一番たくさんだし、一番近くで聴いてて、今回は歌が本当に良かったって思う。

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