心の問題を抱える10代のために…ドレイクやラマーも認めたジョルジャ・スミスの横顔

英マーキュリー賞にノミネートされたジョルジャ・スミス(Photo by Rashid Babiker)



ティーンエイジャーになり、音楽の奨学金で有名高校に入学したスミスは、YouTubeにカバー曲を投稿するようになる。彼女が夢中になったのは、エイミー・ワインハウスのデビューアルバム『フランク』。ワインハウスの体当たりな曲作りに刺激を受け、TVのオーディション番組「Xファクター」に出るのではなく、自分の音楽に専念しようと決めた。15歳になる頃には、自作の曲はノート1冊分になっていた。それが、のちに彼女のマネージャーとなる人物の目に留まり、ロンドンでギグをするようになる。高校卒業後、彼女は完全にロンドンへ拠点を移し、スターバックスでバリスタをしながら叔母と叔父夫婦と一緒に暮らし始めた。

高校時代に書いた曲がなかったら、今もきっとスタバでコーヒーを淹れていただろう、とスミスは振り返る。17歳、メディアでの白人優遇に関するプロジェクトを与えられたときのことだ。プロジェクトの一環として、彼女は学校中を駆け回り、若者たちに警察に対する印象を聞いて回った。黒人の生徒たちは、自分たちが人種差別を受けていると答えた。「11歳の子どもが、『政府なんかくそくらえ! あんなヤツら大っ嫌いだ。俺たちは何もしてないのに、ヤツらに追いかけまわされるんだ』って言うのよ。そんな話ばかりだった」

彼女は、友人の一人が自分の家の前にナイフの入ったバッグを置いたために、無実の罪を着せられる姿を想像してみた。あるいは「友人がちょっとしたことで誰かを刺して、自分のところに駆け込んできた。自分はただ、彼をトラブルから守ろうとしただけなのに」というシチュエーションを想像してみた。そこから徐々に、一つの曲が姿を現し始めた。職務質問をやんわり、だがきっぱり拒絶する「Blue Lights」は、Soundcloudでたちまち話題となった。


Photo by Rashid Babiker

有名になったときのために、インタビューを頭の中で予行練習していたというスミス。今となっては、ロンドンではどこに行くにも群衆に囲まれ、公共交通機関に乗ることもママならない。彼女自身は、自分の音楽が心の問題を抱えるティーンエイジャーたちに届くように、人々と「近い存在」でありたいと願っている。彼女は常に、自分の私生活を音楽に散りばめてきた。『ロスト・アンド・ファウンド』の1曲「The One」は、恋人で25歳のミュージシャン、ジョエル・コンパスと付き合うまでに、2人が経験したすったもんだを事細かに歌っている。

シカゴのバックステージ。まもなく深夜に差しかかろうとしているが、スミスのヘアメイクはまだ最後の仕上げの真っ最中。その間スミスは、お茶を飲み、遅めの夕食のシリアルを食べながら、将来の目標に思いを巡らせていた。「リアーナと仕事がしたいな。まだ会ったことはないけどね」とスミスは言った。「もしかしたら、彼女は私のこと知らないふりをしているだけかも。でも絶対、私のこと知ってると思う」



SUMMER SONIC 2018
期間 : 2018年8月18日(土)、19日(日)
会場 :TOKYO=ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
OSAKA=舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※ジョルジャ・スミスはOSAKA=18日(土)、TOKYO=19日(日)に出演
http://www.summersonic.com/2018/

Translated by Akiko Kato

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