ジャミロクワイが語る、コーチェラでのカムバックと帽子の行方

ージャミロクワイがアメリカのラッパーたちから支持されるようになったのは、いつ頃からだと思いますか?

ずっと前だけど、ファレルがジャミロクワイのファンで、俺たちから影響を受けたって言ってくれたよ。ミッシー・エリオットもそうだね。彼女の「バイト・アワ・スタイル(インタールード)」は「モーニング・グローリー」(『スペース・カウボーイの逆襲』に収録)を早回しした曲だからね。彼女がエイミー・ワインハウスと一緒にいた時に、偶然出くわしたことがあるんだ。「俺たちの曲を気に入ってくれたみたいだね」って言ったら、彼女はこう返してきた。「おかげさまで。著作権使用料がちゃんと払われてるといいんだけど」ってさ(笑)



ー今年のコーチェラはバンドにとって、ウッドストック’99以来のアメリカでのメジャーなショーとなりました。

マジかよ、信じられないな。

ーウッドストック‘99出演時の映像は衝撃的ですよね。

泥が乱れ飛んでたことは覚えてるよ。俺は全身真っ白の衣装を着てたんだけど、ライブ後もまったく汚れてなかった。俺は泥団子交わしの達人だからね。 移動用ジェットで上空から会場を見た時は目を疑って、思わずパイロットに旋回させたんだ。至るところで火の手が上がってて、まるで暴動だった。俺たちの出演後で本当に良かったって思ったよ(笑)

もうひとつ良く覚えてるのは、縦横無尽に動き回ってたステージ前方のカメラクレーンに飛び乗ったことだね。そしたらそのカメラマンが俺を見上げてこう言ったんだ。「やってくれるね、今日一番のハイライトだ」ってさ(笑)

ー「ヴァーチャル・インサニティ」のビデオに登場するあの虫についての質問は多いですか?

あのゴキブリのことな、確かによく聞かれるよ。本当はこう質問するべきなんだよ。「壁から血が滲み出てくるのは1回きりだから、絶対にこのテイクで決めろと言われた時、どれくらいビビりましたか?」あまり知られてないエピソードがいくつかあるんだ。 ひとつは衣装のことで、実はあのビデオで俺は異なる2つのジャケットを着てるんだ。4テイクのうちのひとつで俺が着てるジャケットは、他のやつよりも微妙にブルー具合が薄いんだよ。もうひとつは壁から血が出てくる例のシーンだ。じわじわと滲み出てくるはずが、しばらくすると洗車用ホースの水さながらの勢いで噴き出してきたんだ(笑)

ーあのビデオで着用したハットは、今はどこにあるのでしょうか?

あれは知り合いにあげたよ。気に入ったものはとっておくこともあるけど、大体いつも最後には手放してるんだ。あのハットはケンっていう、日本のレコード会社で働いてたやつが持ってるはずだよ。当時俺たちは日本で一番売れてる洋楽アーティストで、働き者のケンは少なからず貢献してくれてたから、感謝の印としてあのハットをプレゼントしたんだ。まだ捨てずに持ってくれてるといいんだけどな。おいケン、もしお前がこれを読んでて、あのハットにもう飽き飽きしてたら、俺のところに送り返してくれ。住所は…なんてな(笑)



Translated by Masaaki Yoshida

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