韻シスト インタビュー「ヒップホップバンドで韻シストに勝つのは無理」

ラップブームに一石投じる韻シスト流の「オルタナ」

─最近聴いている音楽で、影響しているものは?

TAKU:もろに影響は出にくいかもしれないけど、イギリスのインディロック、レックス・オレンジ・カウンティーとか、コスモ・パイクあたりかな。なんとも言えへん、だらっとしたUK感が好きですね。「Don’t Worry」とかは、その要素が強めかもしれない。今までの韻シストにはあまりなかった8ビートっぽさとか。

BASI:キーワードとしてよく飛びかっていたランキングで言ったら、「オルタナ」が1位やないかな。俺個人はチャンス・ザ・ラッパーやノーネームあたりが最近は好きで。韻シストの音楽性にも少なからず反映されているとは思います。

─「オルタナ」というキーワードが飛び交ったのは、どんな文脈だったのですか?

TAKU:「オルタナティヴ・ロック」という意味合いと、「オルタナティヴ・ヒップホップ」という両方の意味合いで使われていたような気がします。ヒップホップっぽいということに、あまりフレッシュさを感じなくなってきたというか。

ラップブーム、フリースタイルブームみたいなものが去年くらいから全盛やったと思うんですけど、そこに対しての「オルタナ」っていう意味で、使っていたかなと。今のブームを否定するとかでは決してないですよ?(笑) 自分たちの軸足をどこに置くか?という意味で、「オルタナ」というのが指針になったんです。






─「Bout a hipstory」の歌詞で、ビートナッツやウータン・クラン、メタリカにレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンといったアーティストを登場させ、自分たちのルーツ音楽について説明しています。そういった音楽に立ち返る意識はありましたか?

TAKU:あまりなかったかな。たとえば「Old school-lovin’」では、それこそファンクにラップが乗ってるみたいな。僕は2006年から韻シストに入ったんですけど、その頃に聴いていた韻シストのアップデート版が今作に入っていたらいいなと思って。そういう意味では「立ち返った」と言えるかもしれないですね。

さっき話した、「どこかファン目線」というのが一番発揮されているのがこの曲です。途中から入ったメンバーということもあって、未だにファン目線なところが僕にはあるんですよ。さっきの枠の話でいうと、「韻シストはこういうことを期待されてるのかな」とか、「ファンならこういう曲めっちゃ聴きたい」みたいな、そのへんを想像しながら作っていました。

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