フジロック現地取材「アルバート・ハモンドJr、沈黙の理由を語る」

27日(金)、フジロック1日目のホワイトステージに出演したアルバート・ハモンドJr(Photo by Shuya Nakano)

過去には、フジロックでヘッドライナーを務めたことがあるザ・ストロークス。ここ数年は各メンバーのソロ活動が活発だが、今回はギタリストのアルバート・ハモンドJrがフジロック1日目のホワイトステージに登場。出番前にインタビューに応じてくれた。

ー何度かザ・ストロークスで出演したことはありますけど、あなたにとっては久しぶりのフジロックですね。

前に出たときのことは覚えてるよ。とても美しいロケーションだからね。ただ、自分の中で記憶が薄れていたせいなのかもしれないけど、こんなに遠い場所だったのかとあらためて驚いてる(笑)。

ー4月にリリースしたソロ4作目『Francis Trouble』を引っさげて精力的にツアーを続けていますが、オーディエンスの反応には満足してますか?

僕のInstagramを見てもらえば分かるけど、すごくいい反応をもらってる。ラジオでもヘビーローテーションになってるし、ライブでは10曲中9曲がニューアルバムからの曲なんだけど、自分でもそれだけ気に入ってるんだ。このアルバムが持っているエネルギーがライブ向きなんだろうね。僕のライブを初めて観る人にも伝わりやすいんじゃないかな。で、このツアーをまわっている最中、あらためて思ったんだ。それはいかなるときでも、ベストなものを出せるように普段から突き詰めておかなきゃいけないってこと。昔に比べて、より集中して作品を生み出せるプロセスが出来つつあるね。

ーソロ活動をスタートさせて10年、フロントマンとしてどんな意識の変化がありましたか?

そもそも10年経ったという感覚はないけど、すごく満足してる。バンドから離れてソロをやってみたはいいものの、自分が何をしたいのか最初は明確に分からなかった。でも一人で曲を書いたり、歌ったりすることに、なんというか恋に落ちてしまったんだ。その後、3枚のアルバムと1枚のEPを作った。で、ザ・キラーズのサポートでアリーナをまわったときに、自分の曲がアリーナにフィットすると感じた。今では一人で音楽活動をすることが自分の中で当たり前になっているね。


Photo by Shuya Nakano

ーフロントマンという視点で、ストロークスのジュリアン(・カサブランカス)のことはどう見てますか?

バンドとして活動していたときは、人生においても、音楽においても、メンバー全員がお互いに影響を与え合っていた。だから一人になったとき、正直どうすればいいか分からなかったけど、だんだん自分の中で人生や音楽の意味を見出していったんだ。ジュリアンとは昔はルームメイトだったんだけど、当時の僕は部屋をきれいにしておくタイプで、ジュリアンは散らかしても気にしないヤツだった(笑)。でも、ある意味では似ているかもしれない。何が欲しいかとか、何を目指しているかとかに関しては共通していたからね。

ーストロークスの今後はどうなるんでしょうか? 

いつもはこういった類の質問には答えないんだけど、今日はせっかくだから説明をしておくよ(笑)。僕たちが沈黙してる理由は、誰かがメディアでストロークスの話をすると、分裂を起こすような書き方をされたりするから。今はバンドとして活動してないけど、もし何か動きがあるときはバンド名義で声明を出すことになってる。だから沈黙してるのは、ファンへの愛からなんだよ(笑)。それだけは分かってほしいな。



Inteviewer by Tomoo Yamaguchi

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE