プッシー・ライオット、W杯での抗議の後に新作動画を公開

Pussy Riot

FIFAワールドカップ決勝戦でピッチに乱入したロシアのパンク・バンド、プッシー・ライオット。ロシアで収監中の政治犯の釈放と、より活発な政治活動を要求した抗議行動の後、新作「Track About Good Cop」の動画を公開した。

日曜、モスクワで行われたワールドカップ決勝戦でのピッチ乱入騒ぎも記憶に新しい中、ロシアのパンクグループ、プッシー・ライオットが新作のビデオを公開した。タイトルは「Track About Good Cop(原題)」。

メロウなユーロポップと炸裂するダンスパンクが融合したメロディに、ワールドカップ乱入後の犯行声明を連想させる歌詞。この中で彼女たちは、公明正大な「理想的な警察官」と、抑圧的な「世俗的な警察官」の違いを歌い上げている。

ビデオでは、複数の男性と1人の女性が登場。いずれもロシア警察のユニフォーム姿で、パトカーの中や雪の積もる家の前など、さまざまな場所でダンスを踊る。「権力との情事はきれいごとじゃないの」という歌詞で始まり、「あんたから警察バッヂを奪い取るような噂は山ほどある/もっと用心したほうがいいわよ/いつか裏切られる/あんたはシベリア行き/彼女は永遠に戻ってこない」

「警察官、試合に乱入」と題したワールドカップでの抗議行動では、プッシー・ライオットの4人のメンバー―ヴェロニカ・ニカ・ニクルシナ、オルガ・クラチェヴァ、オルガ・パクツソヴァ、ペトヤ・ヴェルジロフーーは、旧式の警察のユニフォームを身にまとい、ピッチを走り抜けた。抗議の後、メンバーはロシアにおける言論の自由や、政治犯の釈放、政治デモでの不法逮捕の中止、より活発な政治活動などを求める要求リストを発表した。

パフォーマンスに関与した4人のメンバーには、15日間の禁固刑に加え、今後3年間、“スポーツ大会”への立ち入り禁止が言い渡された。

偶然にも「Track About Good Cop」が公開された日、欧州人権裁判所は、2012年にプッシー・ライオットがモスクワの教会で行ったお騒がせデモ「パンクの祈り(原題:punk prayer)」に対するロシア政府の対応を非難した。この騒動では2人のメンバーが2年以上の禁固刑に処されたが、ロイター通信によれば、裁判所はこの処罰は罪に対して重く、人権侵害に値するとの判決を下した。裁判所はロシアに対し、損害賠償と訴訟手続き費用を含む4万8760ユーロの補償金の支払いを命じた。

Translated by Akiko Kato

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