性的暴行容疑で起訴されたハーヴェイ・ワインスタイン「無理やりしたことは一度もない」

ハーヴェイ・ワインスタイン。米現地時間の2018年5月25日、強姦と犯罪的性行為および性的虐待の容疑で逮捕・訴追された(Photo by lev radin / Shutterstock.com)

渦中の映画プロデューサーが、コラムニストとのインタビューで激白。「セックスと引き換えに、映画の役を与えたことはある。でも、皆そうやってたし、いまでもそうだ」と語り、「ただ、女性に無理やり暴行したことは一度もない」と続けた。

性的暴行および不適切な行為を行ったとして何十人もの女優たちから非難されているハーヴェイ・ワインスタインが、騒動発生以来初めて沈黙を破った。

「その通り、セックスと引き換えに映画の役を提供したことはあるよ。でも、誰でもそうやっていたし、いまでもみんなそうしている」。 ワインスタインは、ザ・スペクテイター誌とのインタビューで、コラムニストのパナヨティス・タキ・テオドラコプロスにこのように語った。「だが決して、女性に無理やり暴行したことは一度もない」

「私は貧しい家の生まれで、ユダヤ系で、自分の居場所を確保するためにずっと戦わなければならなかった」と、ワインスタインは語る。「女性たちは大勢いたが、私がハリウッドで成功するまで、誰も私のことなど見向きもしなかった」

2カ月ぶりとなるワインスタインのコメントは、結果的に「世界独占」インタビューという形となって世に出たことになる。そのなかで注目を集めたのは、ワインスタインから被害を受けた女性たちの一人、アーシア・アルジェントへの言及だ。

アルジェントの元恋人だったとされる故アンソニー・ボーデンが自殺をしたのは、彼女とワインスタインの浮気が原因だったのではないかという説で持ちきりとなっている。

「彼女の友達、ローズ・マッゴーワンは、アルジェントとボーデンは公然の仲だったと主張している」。 記事のなかでタキは、アルジェントを擁護するマッゴーワンの公開文書についてこう書いている。「『明らかにウソだ』とハーヴェイは言った。『でも死人に口なしっていうだろ。だから、女どもがでっち上げたのさ』」

さらにインタビューはこう続く。「レイプ騒ぎの後、しばらくぶりに姿を見せた女性や、見返りを求める女性たちに対し、ハーヴェイは首を傾げた。アルジェントもまたしかり、彼女は映画界のドンと10年近く緊密な関係にあったのだ」

マッゴーワンはタキの指摘に、Twitterで反論。「私はちょうど彼の映画会社で2作目の撮影をしていたところで、レイプされる日の朝まで彼には一度も会ったことはなかったし、その後も彼とは一切仕事をしていない。このことからも、真っ赤なウソだということが分かるでしょう。うまいこと考えたわね、レイプ野郎」

インタビューが掲載されてからほどなく、ワインスタインの弁護士を務めるベン・ブラフマンとタキがそろって声明を発表。「汚名を着せられたプロデューサーは、『社交目的の訪問』での発言を間違ってインタビューという形で引用された」と主張した。

「41年間、ザ・スペクテイター誌のコラムニストを務めてきて、発言を撤回したことは一度もありませんでしたが、先月ニューヨークでハーヴェイ・ワインスタインと交わした会話に関しては、間違った解釈をしてしまったようです」と、タキは声明の中で述べている。「私の誤りです。我々はハリウッド全般について、ハリウッド特有の物事の進め方について話していましたが、その発言のいくつかを私は誤解していたようです。コラムの見出しに関して、私は関与しておりません。彼の訴訟に悪影響を及ぼさないことを願うばかりです。つまるところ、あれは単なる社交的な訪問だったのです」

ヴァラエティ誌に発表されたブラフマンの声明は、このように述べた。「私もその会合に立ち会っておりました。あれはインタビューではなく、古い友人が社交的に顔を合わせていただけです。ハーヴェイもタキも、訴訟に関する話はしていません。していたとしたら、私が許さなかったでしょう。我々は古きハリウッドについて語り、ヨーロッパ文化との違いについて話をしました。おそらくタキは、ハーヴェイを古きハリウッドの視点で解釈したのでしょう。ワインスタインは決して、性的行為と引き換えに映画の役を与えるという発言はしていません。ハーヴェイがそのような発言をしていないことは、私が保証いたします」

Translated by Akiko Kato

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