ボン・ジョヴィも認めるUSモダンロックの雄、ドートリー来日公演のレポートが到着

4年ぶりとなる単独来日公演を恵比寿リキッドルームで行ったドートリー(Photo by Masanori Naruse)

昨日7月9日、クリス・ドートリー率いる米ロック・バンド、ドートリーが4年ぶりとなる単独来日公演を恵比寿リキッドルームで行った。全世界で800万枚超のセールスを記録し、ボン・ジョヴィやニッケルバックといった大物バンドともツアーを重ねてきた彼らは、8月1日(水)に通算5枚目となる新作『ケイジ・トゥ・ラトル』の日本盤リリースを控えている。新旧のナンバーを織り交ぜたライヴの模様を、増田勇一氏によるレーベル公式レポートでお伝えしよう。

7月9日、東京・恵比寿リキッドルームで行なわれたドートリーの一夜限りの来日公演は、このバンドの普遍的な魅力と音楽的な精度の高さを改めて印象づけながら、心地好い一体感のなかで幕を閉じた。

オープニングSEに導かれてステージ上の配置についた6人がまず披露したのは、8月1日に日本発売を控えている通算第5作『ケイジ・トゥ・ラトル』の冒頭に収録されている「ジャスト・ファウンド・ヘヴン」。彼らはこの夜、この曲をはじめ計4曲を同作から先行披露してみせた。アンコールも含めて約1時間半という演奏時間に対してその割合はやや高めとも思われるが、不思議なのはそうした新曲群がもはや愛着を伴ったものに感じられることだ。確かに「バックボーン」「ディープ・エンド」はすでに先行シングルとして公開済みの楽曲ではあるが、フロアを埋め尽くした観衆は、まるで馴染み深いヒット曲が聴こえてきたかのような反応を示す。充分に練りこまれた楽曲の質の高さ、過不足を感じさせることのない的確すぎるほどのバンド演奏、そして何よりもクリス・ドートリーが伸びやかに歌い上げるメロディの浸透力が、そうしたマジックを引き起こしているのだ。

ドートリー
Photo by Masanori Naruse

質の高い多様な新曲群は、「イッツ・ノット・オーヴァー」や「ホーム」、「オーヴァー・ユー」といったこのバンドの定番曲たちとも有機的に融合しながら、あからさまな熱狂とは一線を画する〈穏やかな熱〉とでもいうべきものを醸し出していた。また、クリスが弾き語りで歌った「ロング・ウェイ」の途中に組み込まれていたクリス・アイザックの「ウィキッド・ゲーム」、それに続いてのU2の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」、そしてアンコールの最後に「セプテンバー」の余韻を引き継ぎながら披露されたプリンスの「パープル・レイン」のカヴァーは、伸びやかさと粘り気を併せ持ちながら耳を奪うクリスの歌声の背景にあるものを伝えていたようにも思う。

ステージ上の彼は「また来られて嬉しい。もう4年も待たせるようなことはしない」と客席に告げていたが、是非この新作に伴うツアーの一環として、通算三度目となる来日公演を実現させてほしいところである。できることならば、少しでも早く。



ドートリー
ドートリー

『ケイジ・トゥ・ラトル』
2018年8月1日(水)国内盤リリース
http://www.sonymusic.co.jp/artist/daughtry/

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