「ストリーミングで業界が再成長しても、ミュージシャンの年収は変わらず」米調査で明らかに

音楽業界の産業研究で米国内のミュージシャンの収入の中央値が2万5千ドル(約275万円)以下と判明(Photo by Shutterstock)

アメリカ国内のミュージシャンの中央値は年収2万5千ドル(約275万円)以下――ストリーミングがブームとなっている一方でミュージシャンの収入は相変わらず低いことが産業研究で明らかになった。

レコード業界の収益は右肩上がりだ。成功の一途を辿るストリーミングが主流となりつつある現在、レコードレーベルの重役たちは「金が集まってくる」と言う。ワーナーは17歳のリル・パンプとのレコード契約料に800万ドル(約8億8千万円)支払ったと報道されている。20年間という不遇の時期をやっと脱して、音楽が利益を生む時代が戻ってきた。

しかし、これはアメリカ国内の平均的なミュージシャンには当てはまらない。最新の報告書によると、彼らは生活費にも事欠くほどの相変わらずの低収入なのだ。非営利団体Music Industry Research Association(MIRA)がミュージケアーズとプリンストン大学Survey Research Centerと共に行った、アメリカのミュージシャン1227人を対象にした調査の結果が先週発表された。この結果では、中央値のミュージシャンの2017年の年収総額は約3万5千ドル(約386万円)だが、音楽関連からの収益は2万1300ドル(約235万円)にとどまる。アメリカ合衆国国勢調査局がアメリカ国内の職業に関する調査を行うときに活用するAmerican Community Surveyによると、中央値のミュージシャンの2012年から2016年の収入は2万ドル(約220万円)から2万5千ドル(約275万)で、ここ数年の音楽業界の再成長にもかかわらず、彼らにほとんど恩恵はないことが明らかとなった。それに加え、MIRAの調査結果では彼らの収入では生活費もままならない現実が浮き彫りになった。

MIRAの報告書によると、彼らに共通する収入源はライブ演奏で、ミュージシャンの収入のほとんどをこれが支えている。これに続くのが音楽レッスン、教会や宗教施設でのパフォーマンスだ。また、ほとんどミュージシャンが異なる収入源を2〜3つ持っていないと生活できなかった(この調査対象にはプロのミュージシャンも駆け出しのアマチュア・ミュージシャンもいることに留意してほしい)。

Translated by Miki Nakayama

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