LGBTQプライド月間、ストレートはパレードに参加すべきか否か?

毎年6月に、世界最大級のLGBTQの人権を訴えるイベント「プライド月間」がニューヨークで開催されている (Photo by David Silverman/Getty Images)


たしかにゲイプライドが“対象”とするのは僕の母やストレートの人々ではないが、だからといってストレートの人々が支援を表明できないというわけではない。ただ、他の多くの企業同様、ストレートの人々は心から賛同してくれないと困る。

だから、問題は「ゲイに賛同するストレートの人々がゲイプライドに参加してもいいものか?」ではない。なぜなら、答えは言うまでもなくイエスだから。もしストレートの参加が認められないのだとしたら、バイセクシャルと付き合っているストレートの女性は参加できない。トランスジェンダーの妻を持つヘテロセクシャルのストレートの男性も参加できないし、13歳のゲイの息子を持つ母親は、子供をパレードに連れて行くこともできない。

つまり問題は、「ゲイプライドは自分たちのためのものではないと、ストレートの人々がきちんと理解した上で、ゲイコミュニティへの支持を表明するにはどうするのが一番いいか」ということ。

もし、あなたがパレードへ出かけて行き、レインボーのビキニパンツ姿の男どもが町中で自分の性的嗜好をあけっぴろげにさらけ出すのを見て、唖然としたり、いぶかしく感じるのであれば、6月はずっと家の中にこもって過ごしたほうがいい。また、ゲイの人々はストレートと同等の権利を与えられるべきだと考えているけれど、「トランスジェンダーって結局何なのかしら?」と首をかしげるのであれば、パレードには参加しないこと。むしろその時間を使って、トランスジェンダーのお勉強をしたほうがいい。マイノリティの惨状に関する勉強会を開いているゲイの支持者たちは大勢いる。

もうひとつ、ボンテージバーとかヌードパーティ、レズビアンマーチの打ち上げパーティなど、自分たちが踏み込めない領域があるいうことを肝に銘じてほしい。僕でさえも入ることを許されない領域がある。クイアの女性限定のパーティは、僕のような存在はおよびではない。こうした女性たちは、男性中心のゲイ社会の中でもとくに少数派だと感じていて、だからこそ自分たちだけのスペースを必要としているのだ。だから僕も彼女たちをリスペクトする。僕がゲイ支持者の人々に、僕らクイアの領域を侵してほしくないと思うのと同じことだ。

ゲイコミュニティを支援するということは、空間を明け渡すということでもある。特権階級は文字通り、より広い空間を支配する。ストレート向けの空間や、ストレートの人々が居心地よく過ごせる空間はLGTBQよりもはるかに多い。比喩的な意味でもそうだ。ストレートの人々は、なにかと自分の経験談をもちだして自己主張する。とくにタチが悪いのは、「全てのストレートの人々がこうじゃないのよ」というセリフから始まる会話。すなわちそれは、「私はそうじゃないのよ!」と主張しいているに過ぎない。

大丈夫、僕たちLGBTQの人々はそんなこと百も承知。だけど、今はストレートのことを話しているんじゃないんだよね。そういわれて気分を害したのなら、それで結構。ゲイプライドの主旨は、まさにそこなのだから。だからゲイプライドの期間中は、自分の領域を一歩退いて、ゲイコミュニティの人々に少しスペースを譲ってほしい。

第一、本気でゲイを支援する活動は1年中やっている。だから、まずは自分自身に尋ねてみてはどうだろう、「残り11か月間も、ゲイ支援者でいられるかしら?」と。僕の母はできると思う。だから僕は、母に電話でこう伝えた。「絶対に参加すべきだよ。できれば予備の日焼け止めを持っていって、みんなに配ってあげて。酔っぱらった半裸の男の子たちはきっと日焼けしちゃうから。ついでに僕の電話番号を渡してくれてもいいよ」


Translated by Akiko Kato

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