未完成だからこその魅力、XXXテンタシオンがシーンに与えた影響とは?

ポスト・ストリーミング世代のアイコンだったXXXテンタシオン(Photo by Dan Garcia)



先日発表されたカニエ・ウェストの新作『Ye』、そしてキッド・コーディとのコラボレーションアルバム『Kids See Ghosts』における、憂鬱な思いを淡々と綴った日記のようなダークさもまた、XXXテンタシオンの作風と共通している。「安らかに眠ってほしい。口には出さなかったが、君は俺にとって大きなインスピレーションだった。君がいてくれてよかった」。ウェストは先日そうツイートしている。

彼はこの世を去ってしまったが、XXXテンタシオンの影響下にあるサウンドは、今後数年間のシーンを席巻するだろう。感情を隠そうとしない彼の音楽は、2パックとパパ・ローチの違いにこだわらない、ジャンルという概念が希薄なポスト・ストリーミング世代の感性にも強く訴えた。髪をカラフルに染め、顔にタトゥーを彫った次世代のアーティストたちにとって、やり場のない怒りをデモさながらの歪んだサウンドで表現した「Look At Me!」は、ストリーミング世代における「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」なのかもしれない。その生涯を暴行疑惑と切り離して語ることはできないとしても、異端な容姿とサウンド、そして溢れ出るリアルな感情で切り開いたラップ界の傷口に、XXXテンタシオンはその名を刻み込んだ。



Translated by Masaaki Yoshida

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