映画「ブルース・ブラザーズ」のギタリスト、マット・“ギター”・マーフィーが88歳で逝去

マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、メンフィス・スリム、ウィリー・ディクソンなどを支えた著名なブルース・サイドマンのマット・“ギター”・マーフィー (Photo by Larry Busacca/Getty Images)

ブルース・ブラザーズやハウリン・ウルフ、マディ・ウォーターズなどのブルース・レジェンドのサイドマンをしていたマット・“ギター”・マーフィーが88歳で逝去。

マーフィーの死を最初に公表したのが、マットと一緒に演奏していた甥のフロイド・マーフィー・ジュニアだった。「彼はとても長くて実り多い人生を生きた強い男だった。彼が奏でるギターソロにはすべて思いの丈を込めていた」と、マット・マーフィーのFacebookページにフロイド・ジュニアが投稿したとDeadlineが報じた。死因は公表されていない。2002年、マット・マーフィーは脳卒中を発症し、セミリタイア生活を余儀なくされていた。

1940年代から50年代、伝説のシカゴ・ブルース・シーンで活躍したベテラン・ギタリストのマーフィーが共演した人々は、アイク・ターナー(ジュニア・パーカーのブルー・フレームス時代)やエタ・ジェイムズから、ブルース・ミュージシャンのジェイムズ・コットン、ウィリー・ディクソン、サニー・ボーイ・ウィリアムソンまで幅広い。



マーフィーは1980年のコメディ映画『ブルース・ブラザーズ』に不可欠なギタリストとして最も有名だ。この映画では、ソウルフードのシェフであるマーフィーと、ウェイトレスをしているその妻アレサ・フランクリンが、マーフィーがブルース・ブラザーズに復帰することで口論となり、フランクリンの魅力全開の「Think」パフォーマンスにつながる。



1978年にニューヨークのクラブで演奏していたマーフィーを観たダン・エイクロイドとジョン・ベルーシがリクルートして、1978年のアルバム『ブルースは絆/Briefcase Full of Blues』で共演。その後、マーフィーは1980年の映画『ブルース・ブラザーズ』のサウンドトラック、1982年のアルバム『メイド・イン・アメリカ』に参加している。1998年には映画『ブルース・ブラザーズ2000』に再び出演し、同映画のサウンドトラックにも参加した。

ブルース・ブラザーズ以外では、マーフィーは自身のプロジェクトのバンドリーダーとして1990年の『Way Down South』や2000年の『Lucky Charm』などのアルバムをリリースしている。

マーフィーの死を受けて「ロックンロールの礎を作った夜通し演奏するミュージシャンの一人だったマット・“ギター”・マーフィー、安らかに眠ってくれ」と、スパイナル・タップの俳優マイケル・マッキーンがツイートした。

Translated by Miki Nakayama

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