奇跡のバンド「ヴェルヴェット・リヴォルヴァー」2012年の再結成ライブを振り返る

ヴェルヴェット・リヴォルヴァーのヴォーカルを務めたスコット・ウェイランドは、2013年12月3日にドラッグの過剰摂取で急逝(Photo by Shutterstock.com)

ガンズ・アンド・ローゼズとストーン・テンプル・パイロッツが合体したスーパーバンド、ヴェルヴェット・リヴォルヴァー。2012年にロサンゼルスで行われた慈善公演のために一夜限りの再結成を果たした彼らのライブは、現時点でバンドにとって最後のステージとなっている。

6月の第2週が明けてすぐ、ガンズ・アンド・ローゼズが2018年最初のライブを独ベルリンのオリンピアシュタディオンで行った。全13曲演奏した彼らはヴェルヴェット・リヴォルヴァーの「スリザー」を演奏して、会場のファンを驚かせたのである。再結成後のガンズは、今回のツアーでアルバム『チャイニーズ・デモクラシー』収録の楽曲を演奏しているのだが、今週初めに行われたライブで、アクセル・ローズ決別後のスラッシュとダフ・マッケイガンが作った曲を初めてカヴァーした。これは故スコット・ウェイランドがフロントマンを務めたヴェルヴェット・リヴォルヴァーの曲。アクセル・ローズが「俺たち、別のことをやってみるぜ」と言って始まったのがこの曲で、「気に入ってくれよ」の言葉のあとで歌いだしたのだった。



ヴェルヴェット・リヴォルヴァーは2003年に結成された。これはアクセル・ローズが新たなラインナップでガンズの活動を開始して2年後のことだ。ストーン・テンプル・パイロッツ(以下、STP)解体でバンドを求めていたスコット・ウェイランドと、ヴォーカリストを求めていたスラッシュ、ダフ・マッケイガン、『ユーズ・ユア・イリュージョン』時代のドラマーのマット・ソーラムの利害関係が一致した音楽的な政略結婚でもあった。ロック界で一番気まぐれなヴォーカリストを、二番目に気まぐれなヴォーカリストに代えただけだと考えるファンも多かったが、その後5年間、このバンドは解散することもなく続いたのである。彼らがリリースしたのは2枚のアルバム(2004年の『コントラバンド』、2007年の『リベルタド』)で、世界中をツアーして回った。ライブでは自分たちのオリジナル曲以外に、ガンズとSTPの古い曲も演奏していた。

Translated by Miki Nakayama

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