Facebookが楽曲を使用できる新機能を追加 音楽業界の新たな収入源へ

一方、今回のFacebookの新機能は音楽業界にとって歓迎すべき存在のようだ。そう、新たな“金のなる木”と言えるのである。Facebookはレコード会社との協定の詳細を公開していないが、それだけ多くの楽曲のライセンス契約には膨大な資金が必要になり、加えて個々の楽曲の著作権者にそれ相当の印税を支払う資金を生み出さなくてはならない。(世界最大の音楽ストリーミング・サービスSpotifyであっても未だに利益を出せない原因がこれだ。) ワーナーのデジタル部門の責任者が3月に教えてくれたことは、ワーナーとFacebookの協定が「音楽ストリーミングの世界を広げ、アーティストにとっては収入源の一つとなる」ということだった。また、これがアーティストや著作権者にとって思いがけない大きな収入をもたらす可能性があると絶賛する業界関係者もいる。


Photo by Facebook



Facebookのユーザーは最低でも22億人と言われ、Spotifyの1億6千万人やApple Musicの4000万人は巨人の前の小人に見えてしまう程で、それだけのユーザーを抱えるプラットフォームはアーティストにとっては認知度をあげる格好の場所となる。そして、Facebookの新たなリップシンク機能は、10代に絶大な人気を誇るカラオケ・アプリ「Musical.ly」と競合することが期待されている。この機能が公開されると、アーティストにとっては自分の音楽を投稿して、ファンの獲得が期待できるもう一つの便利なプラットフォームとなるだろう。

6月5日付けのFacebookのブログでは、今後も新たな機能が出てくるとほのめかしていた。彼らはFacebook Storiesに音楽を加えるオプションのテストをもうすぐ開始すると書いていたのだ。今回の協定がきっかけとなって、音楽業界が“Facebook系譜アプリ”に音楽を投入する新たな方法を見つける可能性が高い。つまり、旗艦であるFacebookのプラットフォームだけでなく、Facebook傘下のアプリ、Messenger、Instagram、Oculusでの音楽使用が期待できるのである。

Translated by Miki Nakayama

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