LUNA SEA武道館ライブ 29年前の初ステージから変わらないロックへの愛(インタビューあり)

2018年5月29日、日本武道館で開催された「LUNA SEA The Anniversary 2018 The LUV –World left behind- FINAL」



とはいえ、LUNA SEAは角が取れて丸くなったわけじゃない。本記事の最後に掲載するが終演後のINORANのインタビューによれば「今のLUNA SEAは丸であるべきなんだ」ということになる。期せずして、この日は満月。今のLUNA SEAはこの日の満月のようなカタチなのかもしれない。でも、満月は人を狂わす力もある。優しくて丸くて、でも狂っている今のLUNA SEAは最強なんだと思う。

「誓い文」の直後、RYUICHIもMCで「ロックを追いかけてもう30年になろうとしているんだけど、自分たちの中でロックって、ヤバそうな香りとか、ヒリヒリしたスリルとか、ちょっと暴力的なものとか、そういういろんな匂いがしてたんだけど、そういう攻撃的なものだけじゃないっていうのが、みんなと会って支えられて分かってきたんだよね。ロックって人の気持ちを一つにするじゃない? 違う場所から集まった人たちが一つになっているっていう。しかも俺たち5人を中心にね。その瞬間に感謝です」と言っていたが、29年の時を経て辿り着いたLUNA SEAのロックのカタチをこの日のライブでは感じることができた。

中盤はメンバーのソロパートがあり、メンバーの個性が出たパートだった。10曲目に演奏された「I for You」はベースとドラムレスで、INORANのアコギ+SUGIZOのヴァイオリンのみで演奏された。INORANのギターはどこまでも正確でそして優しい。SUGIZOのヴァイオリンは悲哀に満ちて繊細で芸術的だ。そこに世界に誇れるヴォーカリスト・RYUICHIの圧倒的なヴォーカルが乗り、圧巻の演奏を繰り広げる。


SUGIZO「LUNA SEA The Anniversary 2018 The LUV –World left behind- FINAL」2018年5月29日 日本武道館


INORAN「LUNA SEA The Anniversary 2018 The LUV –World left behind- FINAL」2018年5月29日 日本武道館

そんな「I for You」に続いては真矢のドラムソロ。一発一発の音にこれほどの説得力があるドラマーは今のロック界に真矢の他にいないと思う。そしてドラムを叩く度に会場から湧き上がる“真矢コール”を聞いていると、みんな真矢のことが大好きなことがよく分かる。続いてはJのベースソロ。ベーシストでこれだけセンターが似合うのはJを置いて他にいないと思う。そして自らを“PYROMANIA(放火狂)”と呼ぶJらしく、ベースでオーディエンスを焚きつけた。そんなソロパートの後「Be Awake」を演奏し、MCを挟み、本編終盤へ。


J「LUNA SEA The Anniversary 2018 The LUV –World left behind- FINAL」2018年5月29日 日本武道館


真矢「LUNA SEA The Anniversary 2018 The LUV –World left behind- FINAL」2018年5月29日 日本武道館

本編終盤は「STORM」「TIME IS DEAD」「ROSIER」と名曲を連続投下。メンバーも50歳に近づいてきているがそんなことを感じさせない、初期衝動感満載のバンド演奏だった。そして本編最後はニューアルバム『LUV』から「BLACK AND BLUE」。再び多幸感に包まれながら本編は終了。

そしてアンコールを待つ間、どこからともなく、“Happy Birthday LUNA SEA”の歌声が。最初は数十人程度の歌声だったが、その歌声は徐々に大きくなり、気が付けば満員の武道館全員で“Happy Birthday LUNA SEA”が歌われていた。

その祝福の歌声のなか、メンバーが再び登場しニューアルバムからのバラッド「So Sad」を演奏。そしてメンバー紹介。ここで、真矢が持ち前のキャラクターを発揮し会場を笑わせる。そんな真矢が、LUNA SEAが終幕をしていたとき、うつ病に苦しんでいたことを拙著『永遠の言葉LUNA SEA』でのインタビューで告白してくれたが、そうした苦しい時期があったからこそ、人を笑わせようとするのかもしれないし、そうした時期をメンバーがくぐり抜けてきたバンドだからこそ、多幸感を謳えるのだと思う。

そしてアンコールの締めは「BELIEVE」「PRECIOUS…」「WISH」と初期の名曲を怒涛の3連奏。それにしても、「WISH」の大ラスで聴かせた“ジャーン”の一音だけでも鳥肌が立つほどこの日のLUNA SEAは音に説得力があった。

圧倒的な演奏力とバンドの結束力を見せた2時間半全20曲のライヴだったが、終演後にSUGIZOが衝撃の事実を打ち明けてくれた。実はSUGIZOは体調不良のせいで途中から指がつりギターを弾くのがかなり困難な状態だったらしい。またRYUICHIはモニターの調子が悪く、ピッチをキープするのが困難だったそう。だが、そんなことを一ミリも感じさえない演奏だった。それが29年という時を経たバンドの演奏なのだ。その一方で、こうしたハプニングの借りは必ず返すバンドがLUNA SEAだ。

そうなると、6月23日、24日に幕張メッセで開催される「LUNATIC FEST.2018」での演奏が楽しみになる。

MCでRYUICHIも言っていたが、「LUNATIC FEST.2018」は21世紀で最高のフェスになる予感がする。さらに、来年の30周年アニバーサリーイヤーでも全国ツアーが開催されそうな気配だ。

LUNA SEAの深化はまだまだ止まらない。

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