『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』アメリカでコケてしまった5つの仮説

Jonathan Olley /© Lucasfilm/ © Walt Disney Studios Motion Pictures

全米公開後、期待はずれの興行成績を記録した『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』。メモリアル・デイ神話の崩壊か?はたまた遥か彼方の銀河系疲れか?ハン・ソロの半生を描いた物語はなぜ期待外れだったのか?撮影裏話の呪いからシリーズ疲れまで5つの仮説を立ててみた。

ハリウッドでは常に油断禁物、不確定なことばかり。だが過去40年間、スター・ウォーズだけは確実だった。タトゥーインから来た少年が父親と葛藤するジョージ・ルーカス原作の物語は、去年まで10作品を生み出したが、2008年の忘れ去られたアニメ作品『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』を除けば、どれもすべて興行成績は優秀だった(残る9作品のうち、年間最高興行成績を達成できなかったのは『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』のみ。それでも2002年の年間興行成績では第3位だった)。

このような視点でみれば、今週末に公開された『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は期待外れであることが浮き彫りになる。みんなの人気者ハン・ソロの過去を描いた映画、オールデン・エアエンライク演じる荒くれ者のナーフ飼いの物語は人々の期待を一身に背負い、当初の予想では、オープニングの興行成績は1億3000万~1億5000万ドルになるだろうと見られていた。だが、ふたを開けてみれば1億300万ドルどまり。ふつうの大作映画ならこれでも十分だが、スター・ウォーズ・シリーズではこれは大問題だ。いったい何が起きたのか? 『ハン・ソロ』が期待外れとなってしまった理由として、5つの仮説を立ててみた。

1. 前評判を覆すことができなかった

スター・ウォーズのスピンオフ第2弾となる今作は、撮影に関する報道と対峙しなくてはならなかった。2016年の『ローグ・ワン』で監督に起用されたギャレス・エドワーズは撮影途中で大きく方向転換を余儀なくされ、『フィクサー』『ボーン・レガシー』のトニー・ギルロイによって大幅な再撮影が行われた。だが、 “トラブル続出の映画”とのレッテルを免れた『ローグ・ワン』は全世界で11億ドルの興行成績を達成。一方の『ハン・ソロ』は、何か月間も悪評に悩まされた。もともと監督に起用されていた『21 ジャンプ・ストリート』のフィル・ロードとクリス・ミラーは、昨年6月撮影半ばにして解雇された。これをきっかけに、製作上の意見の不一致があるらしいとか、主演のエアエンライクの演技に不満を覚えたルーカス・フィルムが演技指導コーチをつけたとか、数々の噂が出回り始めた。

事態を収束するために、ルーカス・フィルムはロードとミラーの後釜として、信頼のおける業界きっての大ベテラン、ロン・ハワードを起用した。だが、少なくとも観客の目にはすでに時遅し。公開直前まで囁かれた『ハン・ソロ』にまつわる噂はどれも、困難な製作状況を物語っていた。それとは別に、撮影関係者からの匿名レポートがたびたび流出し、明確な方向性のないままに撮影が行われている様子が伝えられた。優れた営業マンやマジシャン同様、映画が観客の心をつかむには、ひとえに自信が必要。本人が自分を信じ切っているからこそ、観客も安心できるのだ。第1作が世界を席巻して以来、おそらくスター・ウォーズは初めて自信を喪失し、観客もフォースの乱れを感じたのかもしれない。

Translated by Akiko Kato

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