BRAHMAN TOSHI-LOWが語るファッションと音楽の変遷

ー自分の音楽との関わり方は、20代の頃と比べて、40代になった今、変わった部分はありますか?

自分を作り出そうとして、カッコをつけて、そこに疲れて、今は自分をさらけ出して、それがまた一つの力を生んで、今もこういうところにまだ立ってられると思うんです。でもここからまたカッコつけたいなと思ってるんですよ。やっぱり自分が人の前に立つとか、何かをやるってことは、一個自分が背伸びしたり、負荷をかけたりすることによって、何か新しい扉が開くと思うので。自然体で楽なことばかりやってリラックスしてればいいんだよとは、俺は思えないし。同じ世代の人たちにももっとカッコつけて生きてほしいし、次の世代の子たちにも、俺たちが背中を見せながら、「いやあ、これぐらい全然やれるよ」ぐらいのカッコつけをみんなやってほしい。そういう意味で、洋服ももちろんそうだし、カルチャーに対しても、知らないものをどんどんやっていきたいなとは思いますね。

ー20代のときのカッコつけは闇雲だけど、40代になってからのカッコつけはバランスも取れたものになるから違ってきますよね。

とっ散らかった感じじゃないですからね。でも、もう一回めちゃくちゃやってみたい気持ちもあるんですよ(笑)。それが遊び心なのか、子ども心なのかは分からない。今はいろんな意味で大人の事情も分かるじゃないですか。だから、社会的にめちゃくちゃなことをしたいわけじゃなくて、また自分の飛び出してしまうような気持ちで何かやってみたいことが起きてほしいなっていうのが本心というか。今の自分が完成形というわけでもないし。「大人になったから分かるよ」で済ませたくもないというか。均整の取れたわがままじゃなくて、エッジの立ったわがままをブッ刺してみたい気持ちはありますね(笑)。

ー以前、結婚して子どもが生まれてから人生が変わったという話をしていましたが、それが自分の人生とか音楽に対して大きな影響は与えましたか?

それは感じますよ。こんなにロクでもない人間が、父性やら、逆に言えば母性みたいなものもあって、それは自分で気づいて良かったなって思うんですよ。それによって、いわゆる一般的に言われてる「大事なこと」も分かってるし、「ああ、これはきれいごとじゃなくて本当にそういうふうにみんな言うんだな」っていうのが分かった上で、子どもがいようがいまいが、わがままをやりたいっていうのが自分の中でどこかにあるんですよ。それがたぶん自分を動かしてる何かでもあるというか。子どものためにバンドをやめて働きます、ってなってないのは、そういうことだろうと思うし。


(Photo = cherry chill will.  Styling = Masahiro Ogura  Hair & Make-up = Mikiko Kimura)

ー20代のときに比べて、大人になって良かったことって何でしょう?

社会を一辺倒にしか見れなかったり、自分のことも片側からしか作れなかったりしていた、それよりも、裏も表もしっかり見れるっていうことが、すごくふくよかなことだと思ってるので。明らかに自分のズルい部分とも対話するし、生き残っているというよりは、自分で生き伸ばしている気がするし、その意味について自分でも考えなきゃいけないし。若いときに勢いがあるから流れでやってたものを、今は一個一個自分でケツに蹴りを入れてかないと進まないし。でもそれは全て自分で選んでるってことなんですよ。あの当時は、何かやらされてる感じがあったし、服だって着せられてると思ってた。でも今はそうじゃなくて、全部自分で選んでやってる。やっぱり大人は自分の生き方を選べるっていうのが一番面白いですね。これからの未来もどうなっていくのか、楽しみなんですよ。昔は「楽しみ」とか言ってたら負けだと思ってたんですけど。だって、「明日に希望を持って」とか歌詞で言うヤツばかりじゃないですか。だからそこにすごく抗ってたんです。でも、今は楽しみなんですよ(笑)。

Rolling Stone Japan vol.02掲載



『梵唄 -bonbai-』
2月7日にリリースされた最新アルバム
(トイズファクトリー)

BRAHMAN Tour 2018 
梵匿 -bonnoku-

富山  3月24日(土)MAIRO
奈良  3月26日(月)NEVER LAND
和歌山 3月29日(木)SHELTER
岡山  3月31日(土)CRAZYMAMA KINGDOM
鳥取  4月1日(日)米子 AZTiC laughs
高知  4月4日(水)X-pt
香川  4月6日(金)高松 festhalle
愛媛  4月8日(日)松山 W studio RED
兵庫  4月10日(火)神戸 Chicken George
滋賀  4月11日(水)U-STONE
鹿児島 4月17日(火)Caparvo Hall
熊本  4月19日(木)DRUM Be-9
福岡  4月21日(土)DRUM LOGOS
岐阜  4月23日(月)CLUB ROOTS
長野  4月25日(水)JUNK BOX
茨城  5月8日(火)水戸 LIGHT HOUSE
群馬 5月10日(木)高崎 Club FLEEZ
青森 5月26日(土)Quarter
秋田 5月27日(日)Club SWINDLE
岩手 5月29日(火)盛岡 CLUB CHANGE WAVE
福島 5月31日(木)郡山 HIP SHOT JAPAN
宮城 6月2日(土)仙台 GIGS
栃木 6月5日(火)HEAVEN’ S ROCK Utsunomiya VJ-2
埼玉 6月7日(木)HEAVEN’ S ROCK Shintoshin VJ-3
愛知 6月9日(土)Zepp Nagoya
静岡 6月10日(日)清水 SOUND SHOWER ark
東京 6月13日(水)Zepp Tokyo
東京 6月14日(木)Zepp Tokyo
岩手 6月16日(土)宮古 KLUB COUNTER ACTION
宮城 6月26日(火)石巻 BLUE RESISTANCE
岩手 6月28日(木)大船渡 KESEN ROCK FREAKS

前売り ¥2,900(税込)/ドリンク代別途必要(山形公演を除く)

BRAHMAN
http://brahman-tc.com

Photo = cherry chill will. Styling = Masahiro Ogura  Hair & Make-up = Mikiko Kimura

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