ケシャが語るMeToo運動とレインボー・カラー、ロックンロールへの熱き想い

あらゆる人々の平等を、これからも声高に唱えていきたい

―そういえば4月にあの「TIME」誌が発表した、恒例の“世界で最も影響力のある人100人”の2018年版に、あなたが含まれていましたね。自分が何らかの影響を持ち得るのならば、どういう影響を与えたいと思いますか?

ケシャ:私が音楽活動を始めた時は、単にひとつのセラピーの方法として、自分の感情を言葉で綴る必要性を感じていただけなの。それに、音楽を作るプロセス、音楽を分かち合うプロセスが大好きだったし。でも、その後そんな私を愛してくれるファン、つまりアニマルズが現れた。それって私にとって信じがたい衝撃だったわ。だからこれまでのキャリアを振り返ると、本当に奇妙で、でも素晴らしい体験をしてきた。そして年齢を重ねながら、人々を癒せるアートの力、人々や社会全般に言葉ってものが与え得る作用を目の当たりにしてきた。私には世界を救うことなんかできないとわかっているけど、自分の音楽、自分のアートを通じてポジティブなインパクトを世界に与えたいと思っているし、それがラブ、ピース、思いやり、寛容性、そして万人の平等を象徴するものになればと願っているわ。

―2月のグラミー賞授賞式では、「プレイング」のパフォーマンスがハイライトのひとつになりました。「TIME」誌の記事に推薦文を寄せたシンディ・ローパーからカミラ・カベロまで新旧女性アーティストを交えたもので、まさにそういうあなたの想いを表現していましたよね。

ケシャ:あのパフォーマンスはまさに夢が現実になったようなもので、私にこの上なく大きなカタルシスを与えてくれた。「プレイング」っていう曲は、自分にとってとことんパーソナルでエモーショナルな曲だし、この曲を歌い始めてからというもの、本当に多くの人たちから、苦難を乗り越える上で曲に勇気付けられたという話を聞かされたわ。だから今や「プレイング」は、私という人間、あるいは曲をインスパイアした私の体験を遥かに超越した、もっと何か大きな存在になったような気がするの。グラミー賞授賞式のステージでは、あんな風に大勢の偉大な女性アーティストたちに一緒に歌ってもらえて、本当に光栄だった。みんな、私自身が選んでアプローチしたの。自分が好きで尊敬している人たちと、あのスペシャルな瞬間を分かち合いたくて。だから快諾してくれたみんなには本当に感謝しているし、私って本当にラッキーな人間だと思うわ。



―最近では、大きな話題を呼んだEP『Universal Love』(注:あらゆる性的指向の人たちに開かれたウェディング・ソングを提示するという趣旨のもとに制作されたカヴァー集)に参加して、ビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニーの「I Need A Man To Love」を、「I Need A Woman To Love」と女性から女性へのラブソングに変えて提供していましたね。この曲に着目したのはなぜ?

ケシャ:ジャニス・ジョプリンが大好きなのよ。ジャニスは途方もなく偉大なシンガーであり、情熱を備えたアーティストであり、彼女の全作品がエモーションを満々と湛えているわ。だからジャニスの曲を、彼女に頌歌を捧げるつもりで歌いたかったの。もちろんこのプロジェクト自体にも賛同していた。私はこれまで、あらゆる人々の平等と、人権の順守と、性的マイノリティの権利の順守を声高に唱えてきたつもりだし、今後もそれは続けるつもりよ。

―では最後に、10月の来日公演はどんなステージになりそうですか?

ケシャ:みんな汗とグリッターにまみれて、ラブとロックンロールとレインボー・カラーの塵を浴びることになるだろうから、覚悟しておいて! 私はコンサートをやるたびに、ステージでこう言うの、「アニマルズがいなかったら、この数年間を乗り切ることは絶対にできなかった」と。だってそれは紛れもない真実だから。つまり私のコンサートは、ファン全員に「サンキュー」ってお礼を言うための、私なりの手段なのよ。みんなの応援に、諦めずに粘り強く支えてくれたことに感謝したい。それが伝わればうれしいわ。



ケシャ

ケシャ来日公演

10月1日(月)東京・Zepp Tokyo
10月2日(火)東京・Zepp DiverCity
10月4日(木)大阪・Zepp Namba
http://udo.jp/concert/Kesha

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