ケシャが語るMeToo運動とレインボー・カラー、ロックンロールへの熱き想い

2018年10月に来日公演を行うケシャ

ケシャのジャパンツアーが10月1日(月)に東京・Zepp Tokyo、10月2日(火)に東京・Zepp DiverCity、10月4日(木)に大阪・Zepp Nambaで開催される。1,300万枚以上のセールスを誇る世界的シンガー・ソングライターの初来日を前に、RSJでは本人にメールインタビューを実施した。

人々がケシャというアーティストに抱くイメージは、過去数年間に大きく変わったのではないかと思う。2009年に“KE$HA”としてデビューした当初は、大ヒット曲「ティック・トック」の歌詞を引用するならば“ジャック・ダニエルズで歯を磨く”少々お下品なパーティ・ガールだった。しかし2014年になって彼女は、下積み時代からコラボしていたプロデューサーのドクター・ルークから精神的・肉体的虐待を受けていたと告発。#MeTooムーヴメントを先駆ける闘いに乗り出し、この間に制作して、本名の“Kesha”名義で昨年リリースした5年ぶりの新作『レインボー』では、70年代ロックやカントリーといった音楽的ルーツに回帰。作風を刷新し、シンガー・ソングライターとして改めて称賛を浴びたものだ。その後スタートしたツアーは怪我で中断を余儀なくされたが、いよいよ活動を再開するにあたって、近況や10月に控える来日公演への抱負を訊かせてくれた。

『レインボー』は自分のキャリアでもっとも正直な作品

―2月にステージで怪我をして膝の手術をしたそうですが、経過はいかがですか?

ケシャ:心配してくれてありがとう! 順調に回復しているわ。日本公演を含めて、ツアー日程の一部を延期する羽目になって本当にショックだったんだけど、おかげで思わぬ空き時間が生まれたものだから、早速スタジオに入って、“アニマルズ(注:ケシャのファンの総称)”のためにスペシャルな新曲に着手したの。だからお楽しみに!!

―アルバム『レインボー』はリリース以来絶賛を浴びて、あなたの最高傑作と目されていますよね。1年前にシングル「プレイング」でシーンに復帰してからの経緯を、どんな風に捉えていますか?

ケシャ:そもそも、いつも音楽作りをしている最中は、世に送り出した時に人々が果たしてどう反応するのか、自分ではぜんぜん見当がつかないの。それって、私にとってはずっとミステリーであり続けている。ただ『レインボー』に関しては、とにかく正直であることにこだわって作ったわ。偽りの一切ない場所から生まれたアルバムなのよ。人間としての私の感情のあらゆる襞を掘り下げて、結果的に、自分が完璧ではなくて、完璧ではないながらも最大の努力をして生きているのだという事実を受け入れるまでのプロセスが、ここに刻まれている。つまり、私のキャリアの中で最も正直なアルバムが、こうして高く評価されたわけだから、その分『レインボー』はさらにスペシャルな作品になったし、自分が欠陥だらけで危なっかしい人間であることを、よりすんなり受け止められるようになったわ。



―また、本作をもって名義も“KE$HA”から“Kesha”に変えましたよね。究極的にふたつの間にはどんな差があるんでしょう? 今も“KE$HA”な部分はあなたの中に残っていますか?

ケシャ:“Kesha”と名乗るようになってからの私も、これまでの私と全く同一の人間よ。ただ、今の私は以前よりもありのままの自分でいることに、居心地の悪さを感じなくなった。『レインボー』での私は、自分の脆い部分を初めて、“弱さ”ではなく“力”として提示する曲を綴ったのよ。以前の私は常に何かを証明しようとしていた。人々に望まれている人物になろうとしているような気がした。でも『レインボー』では、自分の人生に関する真実を率直に語っているの。そういう私に対して、人々がどういう反応を見せるのかわからなかった。というのも、今回の私はヒット曲を書こうとはしていなかったから。そんなわけで、反響の大きさにはこちらが圧倒されちゃったし、今後もオーガニックで誠実なアプローチの音楽作りを続行しなければと、背中を押されたようなところがある。とはいえコンサートに来てもらえば、“楽しむ”ってことに関する、昔ながらの私のワイルドな感覚や、パンクロック的な感覚が健在だってことがわかってもらえるはずよ。羽目を外して、ブッ飛んじゃおう!っていうスピリットは変わっていないし、これからも絶対に失うことはないでしょうね。

―リリース以来『レインボー』の曲を何度も歌ってきて、何か改めて悟ったことなんかはありますか?

ケシャ:ファンがどの曲に強く反応するのか観察するのは楽しいわね。例えば「ブギー・フィート」は私の個人的なお気に入り曲だったんだけど、実はもう少しのところでアルバム収録から漏れるところだった。それが今や、ライヴではすっかりファンのフェイバリットと化していたりするわ。

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