ジミー・クリフ、世代を超えて愛されるその音楽

ロックの殿堂入りを果たす仲間たちにエールを送った、レゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフ (Photo by John Shearer/WireImage)

いよいよ来週に迫った『GREENROOM FESTIVAL ’18』。横浜・赤レンガ地区で、2018年5月26日(土)と27日(日)の2日間開催される、サーフカルチャーを愛する者たちが集うアート・ミュージックフェスティバルだ。今年初日の大トリを務めるのは、レゲエ界の生ける伝説ジミー・クリフ。ここでは、2012年にアメリカのコーチェラフェスに出演した記事を振り返る。

※本記事は、2012年の米ローリングストーン誌掲載記事です。

2012年のコーチェラが初出演となったジミー・クリフは、メインステージでのパフォーマンスで『ザ・ハーダー・ゼイ・カム』『メニー・リヴァーズ・トゥ・クロス』等のクラシックを数多くプレイした。しかしクリフにとってのハイライトは、新作『セイクリッド・ファイアー』の曲をオーディエンスが合唱したことだったという。

「演奏後も合唱が鳴り止まなくて、『もう1曲』っていうコールが続いてた。嬉しかったよ」バックステージでローリングストーン誌の取材に応じたクリフはそう語った。70年代に活躍したレゲエ界の伝説が、20代の若者たちを中心とするコーチェラのオーディエンスを熱狂させたことは特筆に値する。「今夜はある若い女の子がアルバムを5枚持ってきて、サインして欲しいって頼まれたよ」クリフはそう話す。「彼女の両親が俺のファンで、彼女は俺のアルバムを聴きながら育ったんだってさ。そういう話はよく耳にするよ。自分の音楽が世代を超えて愛されてるっていうのは、やっぱり嬉しいもんさ」

ランシドのティム・アームストロングをプロデューサーに迎えた新作『セイクリッド・ファイアー』は、クリフのキャリアにおける新たなハイライトとなった。同作の構想が生まれたのは、2010年にロックの殿堂入りを果たした直後だった。本インタヴューの後、ビースティー・ボーイズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ガンズ・アンド・ローゼズ等がクリーヴランドで新たに殿堂入りを果たしたが、クリフは彼らが同様の刺激を受けることを願っているという。

「人生において大切なことは、感謝の念と他者を応援する気持ちの2つだ」クリフはそう話す。「ロックの殿堂の意義はそこにあると思う。その人物の功績を称え、邁進するよう促すという意味でね。殿堂入りを果たしたことで、俺のモチベーションは大いに高まった。それで俺は新作を作ることにしたんだ。他のアーティストたちも、俺と同じように感じてくれたらって思ってるよ」

ジミー・クリフは、来たる5月26日『GREENROOM FESTIVAL ’18』の初日に出演する他、前日の5月25日(金)には、恵比寿LIQUIDROOMにて4年ぶりの単独来日公演が決定している。ジミー・クリフが、コーチェラで証明してみせたという世代を超えて愛されるその音楽を是非体感してみよう。


『GREENROOM FESTIVAL ’18』
日程:2018年5月26日(土)、27日(日)
場所:横浜・赤レンガ地区
http://greenroom.jp/



Translated by Masaaki Yoshida

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