中川翔子インタビュー「これが好き!という気持ちを、すぐ言葉にして形に残すことが大事」

中川翔子(Photo by Shuya Nakano Styling by Aya Omura Hair and Make-up by Toh)

女優やタレントとしての活動以外に、イラスト執筆や、自身のブランド「mmts(マミタス)」のデザインまで手がける中川翔子の、クリエイターとしての側面に迫った。

私にとって「ものづくりをする人」というのが最も尊く、憧れの存在なんです。

─中川さんは、デビュー当時からクリエイターとしての活動もするつもりでしたか?

中川:いやいや、「クリエイター」だなんておこがましいです……! ただ、私は子どもの頃から好きなことと興味のないことがハッキリ分かれていて(笑)。絵を描くこと、マンガを読むこと、ゲームをすること、猫がいること、一人でいることが好きで、それは今後も死ぬまでブレないと思うんですけど、「これ一本でやっていくぞ!」というふうには絞り切れなくて。「好き=お仕事」となれるとも思っていなかったから、芸能界というフィールドで自分がこうやって活動するなんて想像もしていませんでした。

─10年くらい前から「しょこたん☆ぶろぐ」をちょくちょく読ませてもらっているのですが、そこで中川さんが綴っていた数々の夢が、次々と叶っていく様子を何度も目撃しました。

中川:「好きなことって、仕事にもなるんだ!」って本当に思いましたね。もう、夢が叶い過ぎてて怖いくらいです(笑)。例えばmmts(マミタス)というブランドは、BEAMSさんとコラボして5年目になります。これも「中野ブロードウェイでお店を開きたい」とか、「猫や宇宙など好きな絵を描きたい」とか、いろんな夢が一つになったんですよね。最近は、『深海魚展』がきっかけでハマったリュウグウノツカイや、初恋の相手だった木星を描きためていたら、それをデザイナーさんにブラッシュアップしていただき、なんと洋服の柄になったりして。

─本当に、「好き」という気持ちが原動力なんですね。

中川:逆に。お金のこととか何にも考えてなかったんですよね。「これが好き!」ということを、とにかくすぐ言葉にして形に残しておくことが、何よりも大事なんだなって、20代の頃は本能的に感じていたんだと思います。その後、クリエイター界の大先輩や、レジェンドのような方々から話を聞くと、皆さん揃って「“好き!”“楽しい!”って思うことが何より大事」とおっしゃっていたので、間違ってなかったと思います、「ああ、やらなきゃ」とか「やらされてるんだ……」とか、ちょっとでもよぎったらいけない。

─「好きこそ物の上手なれ」とも言いますしね。

中川:でも、今やっているドラマ『デイジー・ラック』の中で、自分が演じている讃岐ミチルちゃんが言うんですよ。「好きなことで食べていくって、簡単なことじゃないと思うよ」「体を壊したら終わりだし、必死に頑張ったってお金がたまらないかもしれない。何があっても自己責任だよ」って。まるで自分が言われてるような気持ちになりました(笑)。そんなこと少しも考えず、ここまでやってこられたのは本当にラッキーなんだなって思いました。

─なるほど。

中川:私にとって「ものづくりをする人」というのが最も尊く、憧れの存在なんです。もちろん自分でも「ものづくりが出来たらいいな」と思うんですけど、なかなか難しいですよね。突発的に浮かんできたアイデアを思いつくがまま描くことは出来ても、「さあ、今からイラストを描くぞ」と思って始めると大抵はうまくいかない。だから、プロのクリエイターさんってすごいなあと思うんですよね。気分とかそういうムラは一切なく、「描こう」と思って作り出したキャラクターで人を虜にしたり、多くのスタッフを雇ったりしているわけですよね。マンガやアニメ、ゲームが、人の青春や人生を動かしているのかと思うと、すごいことだなって思います。

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