中川翔子インタビュー「これが好き!という気持ちを、すぐ言葉にして形に残すことが大事」

─小さい頃から絵を描くのは好きでしたか? 

中川:好きでしたね。でも、大抵は何かの二次創作、模倣なんですよね。自分でオリジナルなものを作るのってすごく難しいことだと思います。とにかく、好きな作家さんの作品を模写するのが私はすごく好きで。模写をすると、より凄さが分かるんですよ。「この人はなぜ、ここにこんな線を描いたんだろう」とか、「この背景は、どこまでが手描きでどこからがデジタルなのかな」とか。いろいろ考えるし発見があるんですよね。絵でもメイクでも歌でも、最初はとにかく真似しまくります。そこから自分の味を出していく……。そんなふうに好きなことだけやってたら、気がつけばいろんな道につながっていったんです。

─イラストを描くときの道具にはこだわってますか?

中川:最初に「漫画家の道具」みたいなものを買い集めたのは、『ドラクエ4コマ(ドラゴンクエスト 4コママンガ劇場)』に投稿した小学生の頃でしたね。それで、ちょっとしたコピー本を作って友達に配っていました(笑)。そのあと、少女漫画の通信講座に申し込んだら、Gペンの使い方とか教えてくれるビデオが付いてきて。それを観ながらスクリーントーンの貼り方、定規の使い方などを学んでいきましたね。道具でいえば、コピック(カラーマーカー)を集めていました。当時のお小遣いはコピックとスクリーントーンに消えていきましたね(笑)。18歳のとき、『映画秘宝』という雑誌にイラストを描く連載が始まって。そこでようやく、小学生の頃に買い集めた画材が役に立ちました(笑)。

─そうだったんですね。

中川:しばらくアナログで描いていたのですが、途中からPhotoshopになって。でもタレント活動をしながらだったので、完全に自己流でしたけどね。『映画秘宝』とは別に、趣味でもPixivとかに投稿し始めるのですが、そのうち絵を描くツールもSAI、クリスタ(CLIP STUDIO PAINT)と変化していって。ただ、デジタルだと原画が残らないということに気づいてからは、まず鉛筆で作画し、それをハンディスキャナで読み取ってから、クリスタで色を塗るというやり方に変えました。

─時代によって使う道具も変わってきたのですね。

中川:ロケに行ったり楽屋で待っていたりする時間が長かいので、「ここに画材道具を持ち込めたらいいのにな」ってずっと思っていたから、パソコン搭載型の液晶タブレットが出たときは本当にうれしかったですね。30万くらいしたし、ものすごく重たかったんですけど(笑)。で、やっと去年、iPad Proがでた。「遅いよ人類! やろうと思えばもっと早くできたんじゃないの?」って思ったけど(笑)、iPad Proのおかげでまた便利な世の中になりましたよね。『コロコロアニキ』の原稿は、無料のソフトで描いたんですが、トーンまで貼れるのでビックリしました。これが子どもの頃からあったら、絶対人生変わるんじゃないかな。そういう魔法のアイテムが、今はたくさんあります。

※本記事は「中川翔子のポップカルチャー・ラボ  presented by FUN’S PROJECT」からの転載です。続きはこちらでチェックできます。

中川翔子
女優・タレント・歌手・声優・イラストレーターなど、多方面で活躍するマルチタレント。現在、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会のマスコットを決める「東京2020大会 マスコット審査会」審査員としても活動中。また、近年は女優として積極的に活動を行い、2015年には朝の連続テレビ小説「まれ」に出演。2017年にはTBS系ドラマ「あなたのことはそれほど」で、横山皆美役を演じた。今年1月にはミュージカル「戯伝写楽 2018」にヒロイン・おせい役として出演し、4月からはNHKドラマ「デイジー・ラック」にカバン職人・讃岐ミチル役として出演している。
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