米ポップミュージックシーン、英語とスペイン語のバイリンガル新時代が到来

女性ラッパーとして人気を誇るカーディ・B(Photo by Kevin Winter/Getty Images for Coachella)


ここ数カ月、ヒットチャートはこうした楽曲であふれかえっている。Demi Lovatoとフォンシが「Echame La Culpa」で誘惑と拒絶のはざまで揺れ動く心情を歌い、バッド・バニーはFutureと組んだ「Thinkin’」の中で、ジゴロの日常を語る。「1,2,3」では、Sofia ReyesがJason Deruloの手を借りて “ダメ男”に別れを告げ、Karol GはShaggyプロデュースの「Tu Pum Pum」で、ジャマイカのダンスホールとレゲトンの関係を見事に表現した。

スペイン語圏と英語圏のコラボレーションは幅広い層に受け、4月にカーディ・Bが『インヴェイジョン・オブ・プライバシー』をリリースすると、その勢いはさらに加速した。アルバムの中の1曲、J.バルヴィンとバッド・バニーをフィーチャリングした「I Like It」は、1960年代ブーガルーの名曲「I Like It Like That」のサンプリングを軸にした楽曲だが、アトランティック・レコードはレゲトンのヒットメーカーMarcos Tainy Masisにプロデュースを依頼。Masisはクラブ受けのいいフュージョンを目指し、ドラムの音作りにこだわったという。「ヤワな音じゃだめ。あっと言わせるにはヒネリが必要なんだ」



そのヒネリが功を奏し、「I Like It」はクラブの外でも鳴り響いた。そして『インヴェイジョン・オブ・プライバシー』最大のヒットチューンとなり、アルバムリリースから1週間で、HOTホット100で初登場8位にランクインした。当然、マシスの信奉者たちもこれに目を付けた。マシスは、ドレイクのプロデューサーBoi-1daと会った時を振り返って言った。「彼は、『I Like It』からインスパイアされた別のビートを考えたよ、と言ってきた。ラテンの音をサンプリングして、もっとトラップを効かせたドラムにのせるんだとね」

いま巷に出回っているバイリンガル・コラボレーションの例を見回して、ラミレスは「いい傾向だ」と語る。

「将来的には、英語だのラティーノだのという区別はなくなる。これからは、みんな同じ1つの音楽マーケットで勝負することになるだろう」

Translated by Akiko Kato

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