アジカンも魅了するKYTEのシンガー、ニック・ムーンが語る日本と故郷への想い

ニック・ムーン(Photo by Yoshiharu Ota)


エレクトロニック・ミュージックの影響と、日本のカルチャーから受けた刺激

そんな『CIRCUS LOVE』は、カイト時代からのサウンドの変化も興味深い。夢見心地のアンビエンスを継承しつつ、エッジの効いたビートや実験的なアプローチをふんだんに盛り込み、自身の音楽感を巧みにアップデート。同作のアートワークさながらに、カラフルに音が飛び交う一部始終は、キャッチーかつ刺激的な展開に満ちている。

「(アルバム前半の曲を書き上げたあと、)エレクトロニック・ミュージックをたくさん聴き始めて、自分でもその要素を引用したくなった。ドラムのプログラミングなんかにハマったしね。そんなわけで、あとになって最初に書いた数曲に改めて手を加えて、よりエレクトロニックなプロダクションを施したのさ。と同時に、曲の内容もだんだんポジティブなものになっていった」



ちなみにニックは、「エレクトロニック系のアーティストに関しては、どちらかというと、コンサートのエキサイティングさに刺激を受けた気がする」とも語っており、今年3月に開催されたショーケース・ライブでは、Loop Stationやサンプラーを駆使した即興的なパフォーマンスを披露している。

日本への愛が募るあまり、いまでは東京に拠点を移した彼は、6月~7月にかけて開催されるASIAN KUNG-FU GENERATIONの全国ライヴハウス・ツアー『Tour 2018 「BONES & YAMS」』にオープニング・アクトとして出演することが決定。ほかにも、宇多田ヒカルのプロデュースで注目を集める小袋成彬とともに、Tokyo Recordingsを設立したYaffleのEP『Op.2-4』にゲスト参加するなど、早くも活動の場を広げている


ニック・ムーンが参加した、Yaffle「Warm Blood」

「正直なところ、初めて東京を訪れた時から、いつかゆっくり滞在してみたいなと思っていたんだ。で、ここ1~2年の間に、もっと深く日本のカルチャーを知って、どんな国なのか掘り下げるべく、真剣に長期滞在を計画し始めた。こうして実際に暮らして、特に日本語を勉強して可能な限り語彙を広げて、日本の様々な側面に触れるという体験は、非常に興味深い。自分の故郷とは全く異なる場所、多くの面で正反対とさえ言える場所だし、僕にとってひとつのチャレンジであるだけでなく、音楽作りのインスピレーションを得られると思った。慣れた環境から自分を切り離すわけだから、当然刺激になるよね」

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