音楽史上最もセクシーなミュージック・ビデオ・トップ30

25位 アン・ヴォーグ「Giving Him Something He Can Feel」

アン・ヴォーグが1976年のアレサ・フランクリンの誘惑曲(カーティス・メイフィールド作)をカバーし、1992年当時最高のビデオ技術で、彼女たちのボーカル・パワーを前面に押し出したビデオが作られた。お揃いの赤いドレスを身にまとい、シュープリームス的なキラキラ感を出しつつ、「フィール」までシミーやため息を続けると、観客の男性陣は刺激され落ち着かなくなり、パフォーマンスが進むにつれて、男たちは自制心(とアクセサリー)をかなぐり捨てる。

24位 ロビー・ウィリアムス「Rock DJ」

人気ボーイズグループTake Thatの元メンバーだったロビー・ウィリアムスは、2000年の「Rock DJ」のMVで“ありのまま”以上を露出することに決めた。ストリップをしながらシャツを脱ぎ捨て、皮膚の剥ぎ取り、筋肉が露わになる。その筋肉を身体から剥がしながら周囲の女たちに投げ与え、最後には骨だけに。このビデオは途中で出てくる血しぶきが問題となり、イギリスの老舗音楽番組『トップ・オブ・ザ・ポップス』で放送禁止となったが、驚いたことにそれ自体が21世紀的な名声がどんなものかを表したのであった。「肌の下に何があるのか、誰もが知りたいと思うのです。たとえ、それを想像するだけで気分が悪くなるとは言っても」と、当時このビデオのFXを担当したカーター・ホワイトFX社の広報担当サーシャ・カーターが説明した。「“Rock DJ”はリアルな皮膚・肉・血、人間とは何か、名声とは何かを表現する限界を押し広げられた特別なプロジェクトです。人は皆、自分の分け前を欲しがるものなのです」と。

23位 ニッキー・ミナージュ「アナコンダ」

2014年のお尻賛歌「アナコンダ」はサー・ミックス・ア・ロットの「Baby Got Back」をサンプリングしている。ミナージュは自身のダイナマイトボディを存分に見せつけながら、その一方で、さんざん焦らされて終わるドレイク、ターンテーブルの上で回るバナナという摩訶不思議なシーンも満載だ。2014年のGQ誌で「最初はバナナでセクシーな気分になり、その後で『あはは、違う』ってなるの」と、ミナージュが答えている。「キッチンでのシーンを見せるのが重要だったのよ。だって台所は女性のパワーの象徴だもの。相手に媚びたり、面白い人を気取りたいのなら構わないけど、女はいつでもパワー全開で、あらゆるものをコントロールしないとね」と。

22位 エンリケ・イグレシアス「エスケイプ」

2001年の「エスケイプ」は、当時の恋人だったロシア人テニス・プレイヤーのアンナ・クルニコワが登場し、有名人同士の付き合いの大変さを披露している。女子トイレや駐車場での逢瀬はホットだが、鋭い目つきのセキュリティガードに邪魔される。そして、コンサートを終えたイグレシアスがクルニコワに待ち望んだキスをする。「あれが初めてのビデオで、とってもセクシーだったわ。でもエンリケと一緒だったから難しくはなかったわよ」と、当時クルニコワが英ミラー紙に語っていた。

21位 シャキーラft.リアーナ「キャント・リメンバー・トゥ・フォーゲット・ユー」

コロンビア人のパワフル・ディーヴァ、シャキーラとバルバドス島のメガスター、リアーナが登場するこのMVは、二人が静かに立っているだけでもセクシーに違いない。2014年のこのクリップの監督はジョセフ・カーン。豪華な舞台に贅沢なベッド、横に並んで身悶えする二人。「彼女は地球で一番セクシーな女性よ」と、共演したリアーナについてシャキーラはグラマー誌にそう語っていた。「最後には二人ともカリビアンの少女に戻っていたの。ケミストリーがとても良くて、とてもリアルだったわ」と。

20位 ジョージ・マイケル「フリーダム! ‘90」

1990年のアルバム『リッスン・ウィズアウト・プレジュディスvol.1』のビデオから自分を切り離そうというジョージ・マイケルの決意は、このMVでクールに実現されていた。シンディ・クロフォード、リンダ・エヴァンジェリスタ、ナオミ・キャンベル、クリスティー・ターリントン、タチアナ・パティッツと、当時のスーパーモデルが総出演して、自宅でくつろぎながら解放を歌うダンス曲をリップシンクしている。デヴィッド・フィンチャーが監督したこのビデオ・クリップでは、スーパーモデルの日常を遊び心いっぱいにセクシーさを交えて紹介している。クロフォードはお風呂に入りながらマイケルのソウルフルな曲を歌い、ターリントンは曲のリズムに合わせて床を這い回りながら猫とチャネリングしているのだ。

Translated by Miki Nakayama

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