Nissy初の東京ドームライブ、多才なエンターテイナーが紡いだドラマの中身

「ちょっとだけ待っててください」とアナウンスした後、段ボールの宅配バイクに乗り、犬の着ぐるみを着たNissyが出現。そのままステージ後方のエンドステージに運ばれると「DANCE DANCE DANCE」へと繋がれる。一緒に踊る準備は万端とばかりにファンの持つポンポンが輝き、曲中ではステージとリンクしてキラキラと瞬いた。Nissyが120名(2日間で240名)のチアリーダーと作りあげるラインダンスは圧巻で、ステージングは大迫力。Nissyを始めバックミュージシャンやダンサー一人ひとりのパフォーマンスタイムも盛り上がりに拍車をかける。コール&レスポンスで割れんばかりの歓声が響いたのは「SUGAR」だ。吐息たっぷりに歌いあげる姿は妖艶で、流し目の艶っぽさにドキリとさせられる。曲によって自分の色を変え、それを惜しみなく伝えようとする姿はまさしくポップスターとも言えよう。



カバーコーナーでは、リクエスト2位にランクインした久保田利伸の「LA・LA・LA LOVE SONG」を披露。彼の甘く芯のある声が曲にマッチして、“とびきりの今”を作りだしていた。暗転を挟みピアノ伴奏とのセッションにより始まったのは「ワガママ」。座った状態で語りかけるように歌う姿はとてもセンチメンタルで、彩度の低い映像がその切なさをさらに加速させる。原曲よりもしっとりしたアレンジに、会場が前のめりに聴き入った。

いよいよライブも終盤戦。MVで使った電話の演出により始まったのは「LOVE GUN」。映像からNissyが飛び出てきたような設定に、ファンもさらに興奮する。その高揚は留まることなく、「KISS&DIVE」では会場中の赤いタオルが全力で空を舞った。

「まだ君は知らない MY PRETTIEST GIRL」もこの日は、Christmas ver.でのパフォーマンス。赤と緑を基調として作られる空間に、温かいクリスマスムードが漂う。「2016年もありがとう」の動画を作った思い出深い曲を、このアレンジでやるのは彼からの最大級のありがとうだったのではないだろうか。

ラストを飾ったのはユニバーサル・スタジオ・ジャパンでMVを撮影した「The Days」。セサミストリートとピーナッツのメンバーが応援に駆けつけ、ステージを華やかに彩る。フラッグ、パラソルといったパフォーマンス隊や紙吹雪、噴水の演出と作りあげられる時間は非現実的で、まるで夢の世界。Nissyの歌声に合わせてクラップが響き、会場は上下に揺れ、掲げられた手がフラッグのように舞う。会場一体となって“Nissy Entertainment”を作り上げ、魔法のときを締めくくった。

彼が去った後も5万人の歓声は鳴りやまずアンコールに転じる。ほどなくして「Girl I Need」とともに、気球に乗ってNissyは登場。高所恐怖症らしいが地上30mの天空において、そんな様子は微塵も感じさせない。さっきまで遠かったファンの近くに来れたことがただただうれしそうで、必死に目に焼き付けるように歌っていた。

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