デビュー20周年のm-floとダンス・ミュージックの20年を振り返る

左からm-floのVERBAL、LISA、☆Taku Takahashi |Rolling Stone Japan vol.02(Photo by Shuya Nakano)


ーm-floが1stアルバムと2ndアルバム『EXPO EXPO』(2001年)を出したときのいわゆるダンス・ミュージックというのは、アメリカとイギリスで事情が違いますけど、1997~98年くらいの話で言えばプロディジーとかケミカル・ブラザーズが注目され始めたタイミングですね。

☆Taku:プロディジーは当時のA&Rが好きでしたね(笑)。僕はXLレコーディングスの「チャーリー」しか聴いてなくて。

ー91年とかじゃないですか。

☆Taku:そう。だからプロディジーは全然通ってないんですよ。

LISA:意外。

ー確かに、m-floのサウンドには初期のレイヴ・ミュージック的なものはあるかもしれないけど。

☆Taku:むしろ今の方が影響を受けてるかも。

ープロディジーとロックがクロスオーバーした頃の感じはm-floにはないですよね。

☆Taku:でも共通するところは、これはLISAが入る前の話だけど、高校生のときにVERBALと僕でそういうロックなラップ・グループを組んでたんですよ。

ーミクスチャー?

☆Taku:しかもダンス・ミュージックも混ざった感じ。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの前にやってたし、レイジにもっとダンス・ミュージックが混ざったようなスタイルで。

VERBAL:音楽をやってた周りの人たちを集めたらそうなっちゃったみたいな。☆Takuがいてドラムを叩きながらシーケンサーから音を流して、ギタリストとベーシストはもろメタリカとかメガデスが大好きです!みたいな。僕はラップだけして。あれは凄かったよね。

☆Taku:うん。DJもしてるから4つ打ちのサンプリングを乗せちゃったり。そういう意味ではクロスオーバー感は昔からあったのかもしれない。

ーデビューした当時ってヒップホップはもちろん人気があったんですけど、ハウスとかトランスが出てきた時期だと思うんですよ。そういう影響はなかったんですか?

☆Taku:ドラムンベースはありました。四つ打ちはDJでかけてたけど、四つ打ちを自分たちの音楽で触りだしたのは『EXPO EXPO』(2001年)以降なんです。それまで四つ打ちはやってなくて。ドラムンベースは特にロニ・サイズとかレプラゼントとか。あとはR&B。m-floがデビューする前からずっと、「私はR&Bがやりたい! billboardチャートに入ってるようなR&Bがやりたいの!」ってLISAに言われ(笑)、VERBALからは「ヒップホップがやりたい!」と言われ、どっちも好きでやってるんだけど途中で違う方向に行っちゃいましたね。UKの方に。


1990年代後半、ドラムンベース人気を牽引したロニ・サイズ。英ブリストル出身のDJ/プロデューサーで、ドラムンベースを核にヒップホップやジャズにも接近。2000年には自らが率いるグループ、ロニ・サイズ・レプラゼントとして来日ライブを行った。(Photo by Getty Images)

ー☆Takuさんは基本的にはフラットな。

☆Taku:フラットというかR&Bもヒップホップも好きだし、でもイギリスの音楽に影響を受けてる。

ープロディジーも初期からドラムンベースの流れってあるじゃないですか。

☆Taku:XLレコーディングスからジャングルにつながっていきますよね。その流れに自分もいた感じなんです。

ードラムンベースってUKのヒップホップですもんね。

☆Taku:UKのストリート・ミュージックですからね。今はグライムに移行しちゃってるけど、当時はそうですよね。

ーその関係もあってサウンドは2ステップっぽいところに。

☆Taku:2ステップはテイ・トウワさんに教えてもらって、何か面白いものありますか?って聞いたら「2ステップっていうのがあってさ」と言われて。そこでクレイグ・デイヴィッドも知ったんですけど。

LISA:彼は衝撃的だったよね。

☆Taku:2ステップは速いR&Bだよって言われて。

ーそうですよね。

VERBAL:確かに。ソー・ソリッド・クルーとか流行ってたよね。

☆Taku:流行ってた。僕ら好きだったよね。

VERBAL:当時はさ、あのテンポでラップするのって少し邪道みたいに思われてたんですよ。

☆Taku:イケてるラッパーがすることじゃなかった。

VERBAL:だからソー・ソリッド・クルーはいい例だったというか、こんなテンポでカッコいいラップができるんだ! でも世の中的にはそれでラップすんの!?みたいな。

Interviewer = Tomo Hirata Text = Takuro Ueno (Rolling Stone Japan), Motomi Mizoguchi

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