ボン・ジョヴィ、ロックの殿堂入りスピーチ全文:メンバー全員で35年の歩みを振り返る

「子どもの頃に住んでいた家の階段の一番上で、ほうきをギターみたいに弾きながら歌ったときから、俺はこんなスピーチを書いていた」ジョン・ボン・ジョヴィ

ティコ・トーレス
まず……ハワード、どうもありがとう。ヤツはいつも俺を大笑いさせてくるんだ。俺はチビだから、いつも彼を見上げるようにしているよ。まあ、とにかく、ここにいられるのは本当に天の恵みだ。母にも感謝しているし、ここに来られなかった父にも感謝している。母は「したいことをして、心をこめてプレイしなさい」と言って俺を支えてくれた。正直な話、あまり上手くはなっていない。だから母さん、愛している。本当にありがとう。父のレニー。父は30年代と40年代(の音楽)を網羅していて、そのおかげで俺はドラマーとしてのキャリアを始めたわけだし、今、ここにいる幸運にも恵まれた。喜ばしいことだ。過去だけじゃなくて、現在も、そして将来も数多くの出来事に恵まれることを願っている。俺は今、これまでやってきたなかで最高クラスのミュージシャンと一緒にこのステージに立っている。リッチーは温かい心と魂の持ち主だ。ヒュー・マクドナルド、そしてアレック。俺はアレックが大好きだ。俺が16のときに知り合って、その頃から一緒にプレイしていた。1996年、俺は童貞を卒業した。アレック、大好きだぜ。アレックと知り合っていなかったら、俺はこのバンドに入っていなかったし、このメンバーじゃなかったかもしれない。アレックこそが中心人物だったね。デヴィッドは、もう一度言わせてもらうけど、俺が会った中で一番可笑しいヤツだ。影に隠れた天才さ。偉大な脚本家。俺が知る中で一番面白いんだ。

ジョン・ボン・ジョヴィ。俺がジョンと会ったとき、俺が欲しがっているものを彼も欲しがってると直感した。だからこそ、150%以上の努力をつぎ込むことを厭わなかった。それにジョンは誰よりも素晴らしい最高のフロントマンだ。この連中は俺のファミリーだ。ハワードが俺たちが若い頃に経験したことを幾つか暴露したけど、何が面白いって、俺たちが今でも一緒にいることさ。今夜ここに来ていない若い連中もいる。ジョン・シャンクス、俺たちと一緒にプレイしているんだけど、彼らは今夜このステージにはいない。でも、俺はジョン・シャンクスとフィル・Xも入れたかった。彼らは素晴らしい。あと、俺はここに至ったすべてのことを思い出している。俺たちが集まって、人間としてだけじゃなくてミュージシャンとしても、心から愛しているものを一緒にプレイできるっていう事実に、俺は感謝したいし、ここにいる人たち全員にも、このステージに持ってきた情熱にも、これから訪れる未来にも、敬意を表したい。そして、家族にも感謝したい。息子のヘクター、ホリー、家族全員、友達全員、特にここにいるみんなに。俺たちを支えてくれた人たちだから。

デヴィッド・ブライアン
みんな、調子はどうだ? 今夜は最高の音楽の旅路の途中にできたランドマークを祝う夜だ。7歳の俺がピアノを、厳密にはクラッシク・ピアノを始めて、15年続けたことを祝う。アトランティック・シティ・エクスプレスウェイに参加した後、21歳の俺がボン・ジョヴィの最初のレコードを録音したことを祝う。そして、56歳の俺がこのステージに立っていることを祝う。みんなでこのバンドを始めたとき、何があってもやり遂げると言っていた。情熱と盲信で想像以上のところまで到達できた。1983年の俺たちが乗っていたのはティコのステーションワゴンだった。その後、大きなツアーバスが登場した。本物のツアーバスが家の前まで来て俺たちを拾ってくれた。ジョン、リッチー、俺の3人はまだ実家に住んでいた。アレックとティコは大人だったから自分の家に住んでいた。とにかく、ツアーバスが俺たちを迎えに来た。あのバスは俺の家よりも20倍は高価なものだった。それまで見た中で一番すごくて、ピカピカのバスだった。俺たちは「分かった、行く時間だな」と言って、自分の荷物を積み込んだ。ジャージー出身の俺は必需品のボーリングのマイボールも持参した。ジャージーの人間はボーリング場のボールは使わないからね。マイボールが必要なわけだ。だから俺はマイボールも持って出た。次にアレックを迎えに行ったら、アレックもマイボール持参だった。そして、リッチーもマイボールを持参していた。そんなふうに順番にバスに乗り、荷物を積み込んだけど、3人のマイボールが邪魔だってことで、一度自宅に戻ってマイボールを降ろさなきゃならなかった。

子どもの頃の俺たちは無名だったけど、こうやって人に知られる人間になった。ニュージャージーの道端にいたガキが世界というステージに立ち、俺はブロードウェイに進出し、今夜はここクリーブランドでロックの殿堂に来ている。オリジナル・メンバー、新しい兄弟たち、美しい妻、美しい子供たち、マネージャーたち、エージェントたち、ツアー・クルー、レコーディング・スタッフ、ビデオ・クルー、友だち、そして特にファンのみんなに感謝したい。そして今後も続く素晴らしい人生、その途中で遭遇する驚きと繁栄に感謝する。ありがとう。じゃあ、次は俺の兄弟、ジョン・ボン・ジョヴィだ。

Translated by Miki Nakayama

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