伝説の大巨人、アンドレ・ザ・ジャイアントの知られざるトリビア

1989年の「レッスルマニアV」に参戦したアンドレ・ザ・ジャイアント(Photo by Jeffrey Asher/ Getty Images)



・ギリギリのタイミングで決まったアンドレとハルク・ホーガンの決戦

この作品のクライマックスは1987年「レッスルマニアIII」でのアンドレ・ザ・ジャイアント対ハルク・ホーガンの名勝負である。9万3173人という観客を驚かせたのは、ホーガンがアンドレにボディスラムを繰り出した瞬間だ。

しかしマクマホンによると、実現までには大きな困難があったとのこと。ロシモフの巨人症は悪化する一方だったが、ホーガン戦の前にWWFへの復帰をまず説得する必要があった。また、ホーガンも試合は実現するまで先が読めない状態であったと詳細を語っている。ホーガンは試合中盤にアンドレが無事に試合をこなせていることに気づき、安堵したという。ホーガンは同試合の最後の歴史的な瞬間を口立てで再演してくれている。「スラーム! レッグドロップ!」と。

・アンドレの酒豪ぶり

「彼はリングの上でのパフォーマンスも好きだが、その後のパーティの方が大好きだった」とマクマホンは笑う。ヘアーの取材したプロレス関係者たちは皆口をそろえて、アンドレがどれだけの大酒飲みだったのかを語る。リック・フレアーはアンドレが一晩で106杯のビールを飲んだと語り、ローラーは少なくとも24杯だと述べ、オーカーランドはまずワインひと箱だと証言する。

・色褪せない「アンドレ伝説」

アンドレ・ザ・ジャイアントをめぐる物語は本人同様に神話的だ。この作品は繰り返しそれを描いている。アンドレにはサメのような80本の歯があるという噂があったというが、マクマホンはそれもアンドレ伝説の魅力の一部だと認めた。「アンドレに関してはどんなことでも言えるし、きっと信じられるはずだ」と。

アンドレの生涯はずっとつらいものでもあり、彼はその残酷さに敏感にもなっていった。何もかもが彼にとっては小さすぎたとホーガンは語っている。飛行機のトイレが使えずバケツで用を足すことになったり、街角で目立ち群衆に追いかけられたり、「彼は泣いていた」とオーカーランドは語る。「あれだけの大きな男が、と思うだろうが彼は泣いていたんだ」と。

・世界8番目の不思議

この作品で最も胸を突かれる瞬間で、アンドレが自分の日常生活上の困難を語るシーンがある。「どこでも何もかもが難しいんだ」と深くしかし疲れた声でアンドレは語る。「巨人用には何もない。視覚障碍者にも、その他の障碍者にもいろいろあるのに。巨人には何もない。だから自分からそちらに合わせるしかない。でもそれはたやすいことじゃないんだ」と。

「アンドレにはコスチュームは不要だった。顔のペインティングも、へんてこなローブもいらなかったんだ。彼はとにかく唯一無二だったんだ」とジャーナリストのテリー・トッドはこの「世界8番目の不思議」を、5000余りのマッチを数百万の観衆の前で戦い抜いたアンドレをこう語る。「彼は創造の世界から生きたままやってきたような存在だったんだ」と。



Translated by LIVING YELLOW

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