ポスト・マローンの素顔に迫った独占ルポ

2017年10月、アトランタのアンティークショップ「Highland Row Antiques」にて(Photo by Diwang Valdez)

2017年の下半期、全米チャートNo.1に輝いた「Rockstar」で一躍注目を集めたポスト・マローン。そんな彼にローリングストーンが密着ルポを敢行(翻訳したものは現在発売中の「Rolling Stone Japan vol.01」で掲載)。トップスターの素顔を伝えている。

俺はずっと孤独だし、いつだって不安を抱えてる。
このでっかい脳が、いろんな思考を扱ってるんだよ。

コール オブ デューティーの新作が発売された昨夜、興奮したポスト・マローンは明け方の6時までXboxの前から離れられなかったという。そして16時現在、彼は再び夢中になっている。金曜の午後、富裕層が多く住むロサンゼルス郊外のターザーナにある彼の自宅の窓には、遮光ブラインドが下ろされている。「こいつ(愛犬のこと)は太陽が苦手だからな」。壁一面のプロジェクター用スクリーンを指しながら、彼はそう話す。

22歳という若さで、マローンはこの国におけるトップスターの仲間入りを果たした。現時点でシングル「Rockstar」は、4週間連続で全米チャートのトップに君臨している。“女とヤってクスリをキメる/気分はロックスターだぜ”。21サヴェージをフィーチャリングした快楽主義の賛美歌は、運命論に中指を突き立ててみせる。スペーシーで冷たいトラックに乗せたリリックで、マローンは自身をボン・スコットとジム・モリソンという、若くしてこの世を去った2人のロックスターになぞらえている。



彼の自宅はその成功ぶりを物語る品々で溢れている。リビングにある光り輝くクロムメッキの足が印象的なビリヤード台の向かいには、過去の作品のプラチナディスク認定記念盤が、白い大理石の床の上で平積みにされている。しかしそれでさえ、アメリカ国旗を手にしたケンタウロス姿のマローンが、潰れたビールの缶に覆われた大地に立ち尽くす肖像画のインパクトには及ばない。

素足にイタリア製高級ブランドの黒いスウェットパンツ、そして食べ物のシミがついたオーバーサイズのTシャツ姿のマローンは、白レザーのソファに腰かけている。2カ月に及ぶツアーを終えたばかりの彼はこう語る。「疲れ切ったけど、ファンに会えるのはいつだってうれしいもんさ」。彼はこう付け加える。「ハロウィンのショーでは、俺に扮したファンがたくさんいたよ。誰にでもできるけどな、ホームレスに見えりゃいいんだから」

カウンターには『Guns & Ammo』の11月号が置かれていた。それが筆者の目に留まったのは、マローンが取材後に行きつけの射撃場に行く予定だと話していたためだ。「銃は最高さ。マジで極上の気分になれるんだ。ストレス発散にサンドバッグを殴るのと同じようなもんだよ」

結局当日の射撃練習は断念したものの、「俺のコレクションを見せてやるよ」。そう言ってマローンが向かったウォークインクローゼットの中には、息を呑むほどの量の武器がストックされていた。「これはM14、海軍の特殊部隊が使う銃だ」。彼はずっしりと重いライフルを筆者に手渡しながらそう話す。それを取り上げると、今度は銃身に彫り込まれた装飾模様が印象的な、「ジェームス・ボンドの銃」ことワルサーPPKを差し出した。「これは使ったことないんだけどな」。彼は44デザート・イーグル、M1911、グロック製の金色の拳銃2丁など、自慢のコレクションを次々と披露した。最後に見せてくれた、カリフォルニア州法に触れないよう改造されたコバルトのアサルトライフルは、彼の一番のお気に入りだという。「HALOに出てくるやつみたいだろ?」

Translated by Masaaki Yoshida

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