同性愛公表の冬季五輪メダリスト、アダム・リッポンが選んだ第二の人生

「一般的な考えを理解できない人間にはなりたくない」

「政治へ大きな関心がある。政治というのは、その多くが戦略で、競争だ。パフォーマーであり、エンターテイナーである僕から見ると、政治はショーであり、ドラマなんだよ」とリッポンが言う。彼はジムでのトレーニング中にNPR(米ナショナル・パブリック・ラジオ)を聞き、定期的にCNNとMSNNBCをチェックし、気が向くと丸まってFox Newsを見ながら午後を過ごすことがある。そして「普通の人たちの一般的な考えを理解できない人間にはなりたくない」と言う。

13歳のときから、リッポンはずっと練習と挑戦の日々を送ってきた。彼の競技人生は終わったが、人生の挑戦はこれからも続く。「今、問題なのが目先のことを決められないことだ」と言って、リッポンはしばらく考え込み、「でも、そうだな……このオニオン・リングが目先の決定の一つだね」と続けた。

そうはいっても、政治的な脅しに対抗すると決めたことを後悔していないとリッポンはいう。「祖国に恥をかかせるようなことをすると、アスリートというのは責められるものだよ。チームを追い出され、国際試合には二度と参加できなくなるんだ。ドナルド・トランプのようなヤツが、移民を嘲り、ハンディキャップのあるリポーターを愚弄しているのを見たり、女性に対する無神経な発言を聞いたりすると、僕はこう思う。もし彼が僕だったら、チームから追放されて、その後、二度と表舞台には戻れないって」

アダム・リッポンがやり方を熟知していることを一つ挙げるなら、夢を持ち続けることだろう。



Translated by Miki Nakayama

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