同性愛公表の冬季五輪メダリスト、アダム・リッポンが選んだ第二の人生

平昌冬季五輪・フィギュアスケート団体で銅メダルを獲得したアメリカのアダム・リッポン(Photo by Marianna Massey/Getty Images)

2018年2月、第23回オリンピック冬季競技大会のフィギュアスケート団体戦で銅メダルを獲得した28歳のアダム・リッポンは、アメリカの冬季五輪代表で初めてゲイであることを公表した選手として注目を集めた。今後、彼はメダリストとしての知名度を利用して、自らの意見を積極的に発信していくという。

「この歳になると、自分を誇らしく思うことがとても重要なんだ」

3月31日、晴天の土曜の朝にリッポンはロサンゼルス校外の練習用リンクにいた。韓国で行われた平昌オリンピック後、初めてスケート靴を履く彼は靴ひもを結ぶと軽くジャンプして見せた。撮影クルーに向かって話しかけるリッポンを10代の少女が立ち止まって見ていた。その少女はガラスの向こう側で歓声を上げ、興奮のあまり手を打ち鳴らしている。ランチのとき、リッポンが写真撮影に応じると、次から次へと人々が写真を求めてきた。

「今、この歳になると、自分を誇らしく思うことがとても重要なんだ」と、この前の週に取材を受けたリポーターに彼は言った。

2018年1月、リッポンは同性愛を公表したアスリートとして、初めて冬季オリンピックの米ナショナルチームに入った。2月の平昌オリンピックでは、コールドプレイの「O」に合わせてクリーンで完璧な演技を披露。アメリカのフィギュアスケート・チームに銅メダルをもたらした。きらびやかな衣装をまとうスポーツといえども、現役のアスリートが同性愛を公表するのは、21世紀の今でも稀である。しかし、リッポンは他と一線を画する。オープンで、声高で、誇り高く、なんといってもユーモアがある。

彼は「僕はランウェイを闊歩する準備万端のグラマゾン・ビッチだよ」というTweetをアンチに向けて投稿したこともある(グラマゾンとは「グラマーでアマゾネスのように強い女性」の意味)。演技後のインタビューでも、大抵のオリンピック選手は面白みのないことしか言わないが、リッポンは自身の緊張をネタに「吐き気がしてきて、ジャッジのところへ行って『ザナックス(抗不安薬)と水を飲んできてもいいですか?』って聞こうかと思ったくらい」と冗談を言って笑わせる。

Translated by Miki Nakayama

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