トム・モレロが断言、アーティストの成功を示すたったひとつの基準

プロフェッツ・オブ・レイジのトム・モレロ(Photo by Eitan Miskevich)



「民主党だろうが共和党だろうが、疑問を抱けばすぐに声を上げる」

―そしてオーディエンスにも、ただ楽しんでもらうだけでなく、何らかのメッセージを持ち帰って欲しいと願っているわけですよね。

トム:ああ。PORのメッセージは剥き出しだから、バレるとは思うけどね(笑)。ただ、俺たちは何よりもまずミュージシャンであり、非の打ち所のないロックンロール・ショウで圧倒しないことには、話にならない。俺たちの言い分を聴いてもらえないよ。だからどのショウも全力投球だ。何しろみんな、一生懸命働いて得た大切なお金をチケット代に費やしてくれたわけだから、情熱、演奏技術、そしてロック・パワーの限りを尽くしてプレイする責任がある。そして、日本のファンがどれだけクレイジーに俺たちを受け止めてくれるのか、期待を膨らませているよ。思えば俺はこれで、4つの異なる名義で日本で公演することになるけど、毎回大歓迎してくれたし、長年応援してくれたファンに心から感謝したい。俺たちの音楽にあまり親しみがない若い人たちにも、どんどん前に来て暴れて欲しいね。みんなとロックするのを楽しみにしているよ。


Photo by Eitan Miskevich


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―ちなみに4月のRECORD STORE DAYには、RATMが00年に民主党大会の会場の外で行った、伝説的ライブのアルバムが発売されるとか。これまた、今あらためて聴くと強烈なインパクトがありそうです。

トム:うん。今リリースしたかった理由は説明するまでもないよね(笑)。何しろ、ロックンロール史上最もクレイジーな一日のドキュメントだと言って過言じゃない。機動隊に囲まれるようにして、暴動の最中でコンサートを行ったわけで、ステージに立っていた俺たちにとって忘れられない体験だよ。それを、みんなとぜひ分かち合えたらと思ってね。

―あのコンサートは民主党大会に抗議するべく企画されたわけですが、今も昔も、特定の政党に肩入れしないスタンスを貫いていますね。

トム:そうだね。民主党だろうが共和党だろうが、疑問を抱けばすぐに声を上げる。その代わり、俺たちは一般市民に肩入れしたと言えるんじゃないかな。常に人々と歩調を合わせてきた。そこは、明確な意思表示をしてきたつもりだよ。

―じゃあ、大統領選でヒラリー・クリントン候補が勝利していても、PORの活動を続行したと思いますか?

トム:もちろんさ。ドナルド・トランプがモンスターであることは疑いのない事実だけど、RATMの曲は主にビル・クリントンが大統領の時代に生まれた。また、ドローン攻撃で中東で多くの子どもたちが命を落としたオバマ政権下の戦争犯罪も、深刻であることに変わりはない。そんななかで俺たちは常に、声なき者の声を代弁することを使命と見做してきたのさ。共和党対民主党じゃなくて、公正で寛大で平和な世界を望む人々と、環境を破壊しようと他人を傷つけようと金儲けのためなら手段を選ばない人々の、どちらの側につくのかっていう話なんだよ。そしてここにきて、トランプ政権下のあまりにも悲惨な状況が、アメリカに大きな政治的ムーブメントを作り出している。トランプ政権は、アメリカ社会が孕む矛盾を一気に白日の下にさらすことになったからね。こうなった以上、誰もが行動を起こす責任を負っていると思うんだ。黙っていても世界は変わらないから。

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