レッド・ツェッペリン再結成を拒み続ける、ロバート・プラント語録

1985年、レッド・ツェッペリンのロバート・プラント自宅にて撮影 (Photo by Michael Putland/Getty Images)

80年代の初めからずっとロバート・プラントは、レッド・ツェッペリン再結成を否定し続けてきた。ファンやジャーナリストが決して諦めることのない“再結成”の噂を、プラントがどのように打ち消してきたかを、現在から80年代初頭にまで遡って検証する。

もはやロバート・プラントを気の毒に思わざるを得ないだろう。確かにこの男は、かつて組んでいたレッド・ツェッペリンで過ごした日々の3倍以上の期間、ソロ・アーティストとして輝かしいキャリアを築いてきた。彼は世界中で、自らの音楽の女神をアグレッシヴに追究し、異ジャンルのアーティストたちとの実り多きレコーディング・コラボレーションを実現している。アリソン・クラウス(2007年のアルバム『レイジング・サンド』は、グラミー賞の最優秀アルバム賞等を受賞した)、ナイジェル・ケネディ、フィル・コリンズ、パティ・グリフィン、アフロ・ケルト・サウンド・システム、そしてもちろんレッド・ツェッペリンの相棒ジミー・ペイジらと共演してきた。

それにもかかわらず、ツェッペリンのドラマーだったジョン・ボーナムがこの世を去り、バンドが終焉を迎えてから38年が経とうとしている今なお、プラントは依然として、「レッド・ツェッペリンの再結成ツアーはどうなっている?」という質問から逃れることはできない。

プラントは、ソロ・アルバム『キャリー・ファイア』をリリースした。アルバムには、2012年以来彼のバックバンドを務めるザ・センセーショナル・スペース・シフターズも参加している。素晴らしい最新アルバムのリリースに合わせて行われたエスクァイア誌のインタヴューで彼はまた、上手に質問をかわしている。インタヴュアーがプラントに、「“ビッグ・ギグへの回帰”の可能性について質問しないと、同僚の編集者から殺される」と言うと彼は、「僕からのアドヴァイスとしては、彼らが君を殺しに来た時に、君はきちんとした身なりをしていなさい、ということだ」と、皮肉まじりに返答した。

プラントの歯に衣着せぬ魅力と、いらだちをも隠さない態度には磨きがかかり、引用する価値がある。ソロ活動での大成功にもかかわらず、彼は1980年代初頭からずっと同じ質問に答え続けねばならなかった。プラントまたはペイジがこの混沌から抜け出さない限り、プラントは答え続けることになりそうだ。これまで対応してきた数多くのプラントの回答の中から、いくつかをピックアップして振り返ってみよう。

「絶対にあり得ない」(1982年)

ツェッペリン解散後のプラントのファースト・ソロ・アルバム『11時の肖像』(1982年)リリース直後に行われたサウンズ誌のインタヴューで、編集者のジェフ・バートンは、レッド・ツェッペリンは本当に“死して葬られた”のかと尋ねた。「ジョンを失った時、我々はそれと同じ趣旨の声明を出した。しかし読んだ皆の解釈がバラバラだった」とプラントは答えた。「一語一句覚えていないが、それは絶対にあり得ない。全くない。無くてはならない存在の人がいる。そのために物事を進めるのではない。物事を進めるのに実用的な目的はない。誰のためか? 実際は誰のためでもない」

「誰もジョンの代わりを務めることなどできない。絶対に無理だ! 今あらためてツェッペリンの曲を聴き返してみると、ジョンの存在がどんなに重要だったかがわかる。俺のヴォーカルやペイジのギターがどんなプレイをしようが、彼のドラムはどっしりと構えていた。ジョンのような、バンドを盛り上げてくれるメンバーは他にいないだろう。何度もくだらない噂が広まったが、俺たちは“気にしない。勝手にしろ!”というスタンスだった。噂に関わっていない人々のみと一緒にやっていくことはできない。不可能だ」

Translation by Smokva Tokyo

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