レッド・ツェッペリン再結成を拒み続ける、ロバート・プラント語録

1985年、レッド・ツェッペリンのロバート・プラント自宅にて撮影 (Photo by Michael Putland/Getty Images)


「ジョン・ボーナムの息子はジョン・ボーナムではない」(2002年)

1994年から1998年にかけて頻繁にペイジと共同作業し、2001年7月にはモントルー・ジャズ・フェスティバルでも共演した後、プラントは9年ぶりのソロ・アルバム『ドリームランド』(2002年)をリリースした。ボブ・ディラン、ティム・バックリィ、スキップ・スペンスらのブルージーなフォーク・ロックのカヴァー曲が収められた素晴らしい作品だ。しかしレッド・ツェッペリン再結成に関する質問はつきまとい、スピン誌は、なぜ彼とペイジはジョン・ポール・ジョーンズやジョン・ボーナムの息子ジェイソンとツアーをしないのか、と質問した。ジェイソンは、1988年5月に行われたアトランティック・レコードの40周年記念コンサートにおける一度限りの再結成で、父親の代わりにドラムをプレイしている。

「何のために?」とプラントは答えた。「ジョン・ボーナムの息子はジョン・ボーナムではないんだ。俺は君がジャーナリストだと知っているから、この質問に答えている。俺は生活のために生活しているのではない。自分の時間は大切だから、自分の好みや、何が正しいかという自分の意見に妥協はできない。何が良いとかという他人の見方や意図的な行動へ、ただ単に同調することはできない。ツアーする巨大モンスターがどんなものだったか想像できるか? 多くのハードロッカーのように派手にカムバックしたりするのは、とても見苦しいことだっただろう。重要なのは、ペイジと俺がまた一緒に曲を作ろうと決めたことさ」

「繰り返しや退屈なことは好きでない」(2003年)

2003年11月、プラントのソロ・キャリアでのヒット曲などを収録したCD2枚組のコンピレーション・アルバム『ロバート・プラント・アンソロジー』がリリースされた。アルバムにはデモのほか、ザ・ヤング・ラスカルズの『ユー・ベター・ラン』(1966年)などのレアな音源も収められている。レッド・ツェッペリンの曲は収録されていないが、ザ・クリスチャン・サイエンス・モニター紙とのインタヴューでは、相変わらず再結成の話題が中心になった。「ある古い友人が言ったんだ。“ヘイ、ロバート、明白なことになぜずっと背を向け続けているんだ?”ってね。なぜなら俺は本当に音楽が好きだからだ。繰り返しや退屈なことは好きでない。さらに友人は“でもいいか、栄光は儚いものだが、無名は永遠だ”と言う。俺は“どれだけ長くその2つの状況のどちらかにいればいいんだ?”と答えたよ」

「ベルトコンベヤーに乗って次々やってくる期待にはうんざりだ」(2007年)

ジェイソン・ボーナムに関する過去のコメントは棚に上げ、プラントは、ペイジ、ジョーンズ、ボーナムと共に、ロンドンのO2アリーナでのフルコンサート(2007年12月)でレッド・ツェッペリンの曲をプレイすることに同意した。同コンサートは、アーメット・アーティガン教育基金へのチャリティとして実現した一夜限りの再結成で、2万枚弱のチケットを求めて100万件の申し込みが殺到し、即完売したという。世界中のコンサート・プロモーターたちは、ドル箱が予想される正式なレッド・ツェッペリンの再結成ツアーに舌なめずりした。しかしプラントはローリングストーン誌に、2008年の彼のスケジュールは、ツェッペリン以外の予定で既に埋まりつつあることを明かした。「ベルトコンベヤーに乗って次々やってくる期待にはうんざりだ」と彼は、いらつきながら言った。「ツアー以外のことなら、何でも喜んで話すよ。人々がより多く話すほど、皆が感じるプレッシャーも大きくなっていくんだ」

「再結成の話がメイントピックであり続けることは、苛立たしいしバカバカしくもある」(2008年)

2008年の夏は、盛り上がったO2アリーナでのパフォーマンスをきっかけに、本格的なレッド・ツェッペリン再結成ツアーの噂が高まった。プラントは、公式ウェブサイトを通じて「少なくとも今後2年間は、他の誰とも一緒にツアーに出るつもりはない」との声明を出さねば、と感じていた。2009年夏にペイジ、ジョーンズ、ボーナムと再結成ツアーを行い、ボナルー・フェスティバルやコーチェラ・フェスティバルにも出演する、という報道に対してプラントは腹立たしさを感じていた。当時、アリソン・クラウスとアルバム『レイジング・サンド』のプロモーションのためのツアーに出ていたプラントは、「再結成の話がメイントピックであり続けることは、苛立たしいしバカバカしくもある」と語った。「この話に関わるミュージシャンたちは、それぞれのプロジェクトに専念して前へ進みたいと思っているんだ。ジミー・ペイジ、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジェイソン・ボーナムにはただ、今後のプロジェクトで成功して欲しいと願うだけだ」

「それぞれの人間関係において、万事は展開し進み続けなければならない」(2010年)

2010年9月、プラントは9枚目のソロ・アルバム『バンド・オブ・ジョイ』をリリースした。ロウ、リチャード・トンプソン、タウンズ・ヴァン・ザントらのカヴァー曲のほか、プラントと共同プロデューサーのバディ・ミラーがアレンジした民謡も数曲収められている。O2アリーナでのコンサートから約3年が経ったこの頃、テレグラフ紙はプラントに、また再結成コンサートを考えているかと質問した。「それはないと思う」と、彼はため息混じりに答えた。「人生の中のこの瞬間に一緒にいる人々と、多くのものを共有している。それぞれの人間関係において、万事は展開し進み続けなければならない」

「10年もアルバムをリリースしていないバンドが、1晩で2万人も集めている。でもそれは成果とはいえない。成果は自分の好きにして得られるもので、とても利己的なものだ。本末転倒であってはならない」

Translation by Smokva Tokyo

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