「ツタロックフェス2018 クイックレポ」yonige:飾らない等身大のオルタナティヴ

yonige(Photo by Megumi Suzuki)

本日3月18日、幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホールで開催中のツタロックフェス2018。COSMIC STAGEに出演したyonigeのクイックレポートをお届け。

気付けばCOSMIC STAGEに大量の観客がなだれ込んでいた。皆が待ち構えているのはyonige。定刻を迎え、彼女たちの名前がスクリーンに映し出されると、メインステージにも負けない声援が飛ぶ。そして、牛丸ありさ(Vo, Gt)の「よろしく」という簡単な挨拶の後にプレイされたのは、最新作『girls like girls』のオープニング・ナンバー「ワンルーム」。

サポート・ドラマーを含めた3人の演奏はいたってシンプル。奇をてらったアレンジは一切なく、後ろに重心を置いたグルーヴに乗せて歌を届ける。等身大の言葉を気怠げに紡ぐ牛丸の歌を。彼女は卓越した歌唱力の持ち主というわけではない。しかし、ハスキーで気取らないヴォーカルは一聴してすぐにそれと分かる。とてつもなく上手かったり、キュートだったり、そんな女性ヴォーカリストは今やごまんといる。しかし、牛丸のようなオルタナティヴなロック・ヴォーカリストはなかなか思い浮かばない。

フロアを埋め尽くす観客は手を掲げ、手拍子をし、3人のアンサンブルに身を委ねている。だけど、それよりもっと多くの人間が、彼女たちの演奏と歌を聞き逃さないようにじっと耳を傾けているように感じた。

MCでは、2人の出身地・寝屋川の隣にある枚方にTSUTAYAの1号店があるというトリビアを披露。「盛り上がってるかい!」「いえーい!」「ちょろいのー!」というごっきんと観客のやり取りがいい具合に場の空気を弛緩させる。

ヴォーカルのことばかり触れてしまったが、「しがないふたり」の後奏で聞かせたテンションの高いアンサンブルをはじめ、後半はyonigeのバンドとしての力量を見せつける展開に。特にラストの「最愛の恋人たち」で見せた牛丸のギタープレイにはグッと引き込まれるものがあったことを付け加えておきたい。

この先何年、何十年が経っても、今日と同じ光景が見られたらいいな。そんなことを思わせるステージだった。今、yonigeは時代の勢いに乗っているが、彼女たちの歌は決してそれに左右されない。されるはずがないのである。

SET LIST
yonige
ワンルーム
our time city
あのこのゆくえ
アボカド
センチメンタルシスター
しがないふたり
悲しみはいつもの中
さよならプリズナー
最愛の恋人たち

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