『去年の冬、きみと別れ』が極上のサスペンス映画になった理由

『去年の冬、きみと別れ』(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会

現在、大ヒット公開中の映画『去年の冬、きみと別れ』。本作が極上のサスペンス映画になったのには2つの大きな理由がある。

一つ目は主演の岩田剛典の好演だ。主人公の耶雲恭介を演じた彼が見せる表情は、三代目J Soul Brothersのアーティストとしての顔ではなく、完全に俳優の顔である。本作の資料には「狂おしいまでに一途な愛に生きる主人公を体現」と書かれているが、その内に秘めた純粋さを淡々と表現していく姿が妙にリアルで(なぜリアルなのかは映画を観終わった後に分かる)、彼でしか演じられなかった役だということが実感できる。

また、美しい婚約者の松田百合子、耶雲の取材ターゲットである斎藤工、その他、北村一輝、浅見れいな等、岩田を中心とした役者同士のアンサンブルが作品の世界観に重厚な響きを与えていて、キャラクターたちのやり取りにも終始緊張感がある。

もう一つは刺激的な描写も含め、エンターテインメントとして楽しめるサスペンス映画に仕上がっている点が挙げられる。原作は『教団X』で知られる芥川賞作家・中村文則による小説。中村サスペンス最高傑作との呼び声高く、目の肥えた書店員たちに「この小説は化け物だ」と言わしめた衝撃作だという。そんな原作を、主人公の設定、ストーリーのディテールなど、「映画」のスタイルに合わせて大胆に翻訳したことも大きい。その結果、観ている人には2時間の上映時間があっという間に感じられるだろう。

映画のエンディング曲「never」を提供したのはm-flo。15年ぶりにLISAが復帰した彼らの最新インタビューが、3月24日発売のRolling Stone Japan vol.02に掲載される。こちらも併せてチェックしてほしい。

『去年の冬、きみと別れ』
監督:瀧本智行
主演:岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、土村芳、北村一輝ほか
全国公開中
http://wwws.warnerbros.co.jp/fuyu-kimi/

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