米アーティストたちが勧める「脱・スマホ」ライブとは何か:携帯ロックサービスの需要

ジャック・ホワイトは、2018年4月からスタートする自身のツアーは脱・スマホライブにすると発表した(photo by Sacha Lecca)

携帯電話のロックサービスを提供するYondr社は、コンサート会場の観客の意識をかつてのように音楽に戻すことを目指している。ジャック・ホワイトやガンズ・アンド・ローゼスやアリシア・キース が賛同する「脱・スマホ」ライブとは?

ジャック・ホワイトがステージに立った時に絶対に目にしたくない光景は、観客が自分の音楽よりもスマートフォンの操作に熱中している姿だ。これまでのコンサートでは観客に携帯電話を使用しないようにお願いしていたのだが、すでに完売している2018年の春のツアーからは使用禁止を確実にする対策を取ることとなった。すなわち、テクノロジー企業Yondrが提供する携帯電話を特製ポーチに入れて強制的に使用禁止にするシステムを導入するのだ。「観客の反応を見て、次に何をすべきかわかった」と、ホワイトがローリングストーン誌に述べた。「観客がいなかったら、次にやるべきことがわからなかっただろう」と、ホワイトのマネージャーでLCDサウンドシステムのマネージングもしているイアン・モントーンがつけ加えた。「ライブ中、最初から最後まで1,000台のスマートフォンが撮影している前でパフォーマンスしたいアーティストなど一人もいない」と。

2018年4月19日からスタートするホワイトのツアーは、Yondrを導入して行われる最初の音楽ツアーとなる。ただし、緊急の場合に備えて、携帯電話を使用できるゾーンをいくつか設けることになっている。“チーム・ノーフォン”に参加しているアーティストはガンズ・アンド・ローゼスやアリシア・キースの他にも多数いる。例えば、ボブ・ディランのライブでは撮影しているファンを警備員が会場の外に出す。デイヴ・シャペルはYondr信奉者で、コンサート中に観客に向かって「お前ら、そろそろスマホから自由になれよ」と発言している。トゥールのメイナード・ジェイムス・キーナンが携帯電話ユーザーを拒否する理由は、彼らが勝手に写真や動画を撮ることではなく、勝手にあれこれ録音して近所に迷惑をかけるからだという。アーティストのこういった発言や行動に不満をもらすファンもいるが、アーティストたちはファンの理解を得るために事前に発表して筋を通している。Yondrを最初に導入したのはコメディアンたちだった。彼らは自分たちのネタをYouTubeで勝手に流されたくなかったのである。「抵抗はほとんどない」とYondrの創設者グラハム・ドゥゴーニがいう。ドゥゴーニは2014年、サンフランシスコで行われたバーレスク・ショーのためにYondrを開発し、現在もYondrのCEOを務めている。

Translated by Miki Nakayama

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