ラテン音楽の最先端「ラテン・トラップ」牽引役が世界デビュー

Apple MusicのUp Nextアーティストとして新曲を発表したバッド・バニー(Photo by Kevin Winter/Getty Images)

プエリトリコ出身のアーティスト、バッド・バニー。盛り上がりを見せているラテン・トラップ・ムーブメントの一翼を担い、これまで数々のヒット曲を送り出してきた彼が、満を持してApple MusicのUp Nextアーティストに選ばれた。シンガーでありラッパーのバニーは、米国現地時間2月22日に新曲「Dime Si Te Acuerdas」をApple Music Beats 1をリリースした。

「バッド・バニーは今、世界で最もエキサイティングなアーティストの一人だ」とBeats 1のDJ、ゼイン・ロウがローリングストーン誌に語った。これを受けて「バッド・バニーはこれまで僕たちが一度も見たことのない方法でファンとつながっている」と、Apple Musicのラテン音楽番組制作者、ジェリー・プルスが続けた。「スペイン語の楽曲を聴かない人たちですら彼が大好きなんだ。つまり、彼をワールドワイドに紹介するタイミングが今だってことだ」と。

視点を変えると、バッド・バニーはすでにワールドワイドな名声を手にしている。彼のYouTube動画の累積視聴数は2017年に40億回を超えた。さらにビルボードのチャート、ホット・ラテン・ソングスに送り込んだヒット曲は15曲にものぼる。これらのヒット曲のほとんどがコラボレーションで、例を挙げると、先週ラテン・エアプレイでナンバー1を獲得したベッキー・Gとのコラボ「Mayores」、ニッキー・ミナージュがリミックスしたFurrakoとのトラップ曲「Krippy Kush」、Jバルヴィンとプリンス・ロイスという仲良しスターたちとのコラボによる「Sensualidad」等など。

バッド・バニーは現在、ラテン・トラップで最も有名なアーティストで、サウンドと絡み合うスペイン語の楽曲が最近のアメリカのヒップホップ・シーンでメインストリームとなっている。2017年、バッド・バニーはApple Musicでストリームされたラジオ番組「Trap Kingz」の1〜6回目のホストを務めた。「バッド・バニーはドレイクとコラボできるし、トラヴィス・スコットとだって可能だ」と、Jバルヴィンのプロデューサー、アレハンドロ・“スカイ”・ラミレスがローリングストーン誌に教えてくれた。「彼こそがこのムーブメントを次の次元に持って行く担い手だよ」と。

Apple MusicがUp Nextプログラムをスタートさせたのは2017年4月。これまでピックアップされたアーティストは、6lack、ダニエル・シーザー、ステフロン・ドン。このプログラムの構想の一つとして、Apple Musicは「あらゆるリソースを活用してUp Nextアーティストの音楽を新たなオーディエンスに届ける」としている。同社には自由に使える素晴らしい道具がたくさんあり、Up Next アーティストに選ばれると短いドキュメンタリー動画が作られ、Apple Musicの複数のプレイリストに含まれて楽曲の露出が強化される。

バッド・バニーをUp Next アーティストに選定したのは好機を捉えている。ニューヨーク市での3日連続公演を皮切りに、バッド・バニーは2月下旬からUSツアーを開始する。

Translated by Miki Nakayama

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