クリス・コーネルの未亡人、夫の薬物依存との闘いを初告白

写真左から娘のリリー・コーネル、トニ・コーネル、そしてヴィッキー・コーネル(Photo by Jamie McCarthy/Getty Images)

クリス・コーネルの未亡人ヴィッキー・コーネルがABCの番組「グッドモーニング・アメリカ」に出演し、サウンドガーデンのヴォーカリストだった亡き夫の薬物依存との闘い、自殺直前の依存症の再発について語った。2017年5月のコーネルの死後、ヴィッキーにとってこれが初のテレビ出演となった。

「彼は人生を謳歌していました。この世を去るつもりは一切ありませんでした」とヴィッキー・コーネルはインタビュアーのロビン・ロバーツに語った。「彼にとって家族がすべてでした。ステージを降りるとすぐに父親の顔に戻るような、ごく普通の父親だったんです」



しかし、ベンゾジアゼピンを処方されると彼の言動が変化したと言う。その頃のクリスは肩のケガの痛みで夜中に目覚めてしまうため、痛みを緩和する目的で処方された強力な鎮痛剤だった。ヴィッキーは、この薬を処方されたことが薬物依存を再発させたと述べた。

「物質使用障害を持つ人の脳は……この障害を持たない人の脳とは異なります。彼は薬物依存が再発しました」と言い、1週間で「20数錠服用し(中略)9日間で33錠服用していました」と加えた。

彼の自殺の2カ月前、コーネルはメールで友人に連絡していた。そこには「話をしたい。再発してしまった」と書いてあった。しかし、5月17日にデトロイトで行われたサウンドガーデンのコンサートを唐突に終わらせたコーネルは、ホテルに戻って命を断ってしまう。彼の死後に出された声明でも、ヴィッキーは夫の自殺は処方薬によって引き起こされたと明言している。

このTVインタビューでは、2人の子供たちに父の死を伝えた時のことも涙ながらに語った。「(薬物やアルコールなどの)依存や中毒は自業自得だと言いますが、それは違います。そういう烙印がなくなれば、もっと声をあげる人が増えると思います」とヴィッキー。「夫はヤク中のロックスターという姿からは最も遠い人でした。そういう人ではなかったのです。最高の夫で、最高の父親でした。私はクリスという、ソウルメイトでもあった最愛の人を失いました」

Translated by Miki Nakayama

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