BRAHMAN武道館密着レポ「矛盾すら唯一無比の説得力になるオリジナリティ」

武道館のステージに立つBRAHMAN(Photo by Tetsuya Yamakawa [Showcase])

2月9日、初の日本武道館公演「八面玲瓏」を開催したBRAHMAN。今回はバンドとも親交の深い音楽ライターの石井恵梨子氏による密着ライブレポートをお届けする。

開場の10分前。メンバーとスタッフチームはいったんステージ上に集合し、記念写真を撮影していた。舞台は巨大な八角形。その上空には同じ八角に組まれた鉄柵にスピーカーが設置され、そのさらに上には無数の八角形が連なる白い天井がある。

「なんか、感慨深いなぁ」とつぶやいたのは7STARS DESIGNの岩田圭一だ。初期からBRAHMANのジャケットを手がけているデザイナーで、5年前の「the OCTAGON」と今回の「八面玲瓏」で使われる八面のステージは、そもそも『超克』のジャケが八角形だったことに起因している。アイデアは彼とTOSHI-LOWの双方から出たものらしいが、「全方位、全面って意味と、あとは八方塞がりの“八方”みたいなイメージもあった」と岩田氏。それがステージになるとは誰も考えていなかったし、そんな舞台を真ん中に置いたら一番ハマるのが日本武道館だとは気づきもしなかった。


ステージを上から見た写真(Photo by Tsukasa Miyoshi [Showcase])

4人が立つ八面のステージを、さらに大きな八面ブロックが取り囲む。その上にある一階席、二階席もまた均整の取れた八面に分かれており、その会場の天井も屋根も荘厳な八角形を描いている。ミクロからマクロというのか、螺旋を登れば登るほど同じところに辿り着く輪廻の感覚。もともと意図はないはずだった。だが振り返れば意味があった。これが真理だと言いたくなるほど美しい答えが。

BRAHMANは、ずっとそうやって道を切り開いてきた。

暗転。SEと共にステージ下のヴィジョンから映像が流れ出すが、驚いたのは同じ映像が天井にも映し出されたことだ。広大な白い八角形がスクリーンとなる。こんな演出、見たことがない。少なくとも私は初めてだった。「自分たちにしかできない武道館をやりたい」と語っていたTOSHI-LOW(Vo)を思い出す。北ブロックを潰してステージにする、そんな通常のコンサートはいかにも強引で合理的だが、武道館の形をまず尊重し、それに合わせて自分たちのやり方を変化させる、いわば女性的な発想がBRAHMANにはあるのだろう。「男の中の漢!」みたいなイメージが強いものの、間違いなくBRAHMANにはしなやかで繊細な女性性がある。この日の演出はそれがひときわ際立っていた。

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